まえぬの妹も人気声優

27話 ページ33

全てはあの日から始まっていたんだと思う。

私の親友である、姫野愛と智にぃは付き合っていた。

お互いにまだ学生だったから、社会の闇というものを知らなかったんだ。

最も、智にぃは売れ始めていた頃。


、


だから、あの日。あのとき。
…全部、私のせいだ。

夏も盛り、その日は猛暑だった。

丁度数学の時間で、暑い中必死に頭を働かせていた。

そんな時に浅田センパイに出会った。

センパイなのにどうして同じ授業を受けていたのか。

簡単だ、浅田センパイはバカだった。

留年が決まった際に家の力でなんとかしようとしたらしいが、流石にそれは出来なかったらしい。

浅田センパイは私の友達を通じて、小さなメモを渡してきた。

«あなた、智昭くんと妹よね？
連絡先教えて？»

という、何とも身勝手な文だった。

私は授業中だったこともあり、そのメモを握り潰すと机の奥の方へとしまった。

それが始まりだった。

浅田センパイは何度も智にぃの連絡先を知りたがったり、遂には身辺まで調べ始めた。

そして智にぃがあいちゃんと付き合っていることを知ると、

私とあいちゃんの下校中に私たちを道路へと押した。


当然、明らかな殺人行為だが、浅田センパイは揉み消し、

私は呆気なく記憶を操作された。


これが、あの日から始まった。

浅田センパイの罪であり、

私の罪でもある。

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