173→メリークリスマス〜出発前の最後の時間 ページ32
『メリークリスマスだね、皆！』
「めりー、くりすます？」
「どういう意味なんだよ？」
『メリークリスマスって言うのは、今日この日、クリスマスを楽しく過ごしてね、って言う挨拶なんだよ』
「今日はくりすます、と言うのか？」
「あ〜そうね、なんて説明したら分かるかなぁ…」
「知らないオッサンの誕生日を祝う日がいつの間にか世界共通の祭りになった、ソンだけだろ」
「うわ〜〜千空ちゃん、間違ってはいないけど夢がないよ〜」
「あ"？夢も何も事実だろうが」
「あはは、千空くんらしいね」
『クリスマスはね、サンタさんっておじいさんが、良い子にしてる子供にプレゼントを配る日でもあるんだよ〜って事で、おじいさんじゃないけど、子供達にAサンタと2人のサンタさんからプレゼントです！』
麻袋に入れた小さな玩具達を子供達に配ると皆が嬉しそうに受け取ってくれる
「わぁ、これ新しいなわとび！切れちゃって、短くなってたから嬉しい！」
「ぼくは木のおもちゃ貰った！」
「…アイツら、ガキどもにプレゼントまで用意してたのかよ」
「Aちゃん達らしいね〜」
「うん、皆喜んでいるね…」
「皆が笑顔だと、嬉しくなるね。本当に現代のクリスマスみたいだ」
一通り配ると今度は千空達の元に行く
『はい、皆にもあるんだよ、プレゼント』
「……は？俺らにもあんのか？」
「Aさんがね、今日が皆で過ごせる最後だから、って用意したんだよ」
「私達からのプレゼントね、良かったら受け取ってよ」
『…ほら、千空達さ、私があげたお守り、大事にしてくれて汚れちゃってるから…新しいの、と思って』
「…付け替えられるやつか、ありがとな」
「前のも捨てずに取っておくよ。コレも大切にする…いつもAには貰ってばかりだね、ありがとう」
『私だけじゃないけどね、喜んでくれたら嬉しいな』
「俺にもくれるの？ジーマーで？ありがとう〜」
「ゲンくんのは形を少し変えてみました！」
「羽京のも、氷月のもあるのよ？ちゃんとね」
「僕も？ふふ、嬉しいな」
「まさか私にも下さるとは…ありがとうございます」
「アタシ達にもかい？可愛いね…嬉しいよ！大事にする」
「…髪飾りみたい、可愛い…ありがとう…」
一通り村の皆にも配り終わると、皆でこのイルミネーションを改めて楽しんだ
それは今夜を忘れない様に、たくさんの想いを抱えて…
そして次の日、司、氷月君、羽京、ニッキー、南、杠、大樹、陽が硝酸の洞窟へと向かう日がやって来た…
174→行ってらっしゃい！→←171→イルミネーションって綺麗だよね
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作者名：美玖 | 作成日時：2023年8月22日 8時
