171→イルミネーションって綺麗だよね ページ31
「カセキ、クロム、どうだ？様子は」
皆に説明を終えてそれぞれがやる事に戻って行くと、
千空と私はクロムとおじいちゃんの元へ向かう
「さすがのワシもこますぎて中々手こずっちゃうわい」
「あ！割れたーくそ、ヤベーこれはムズいぜ、さっきから何度も失敗しちまってる」
「ククク、なんだもう心折れてやがんのか」
「ん？ぜーんぜん。体はとっくにくたばっとるがの！」
『おじいちゃん見た目は凄く元気そうだけど、あんまり無理しないでね？』
「オホホ、大丈夫よA、心配ありがとね。まったく60年この村でノ〜〜ンビリやって来たのに、千空主達が来てからっちゅうもの、桁違いに大変になっちゃって、そして桁違いに楽しいわい。村の連中も一部除いて皆そう思ってるんじゃないかの〜」
「そーかよ、そりゃ良かった。これからもたくさん働いて貰うぜアンタには」
千空、嬉しそうだね…私も嬉しい、例え世界の流れを歪めてしまっていたとしても……この先どうなるか分からなくても…今この時は、大切にしたい
ごめんね皆…やっぱりコレは私のエゴなんだよ…
「おぅでも電気の灯りってよ、前に俺らがやった時は一瞬で燃え尽きたじゃねぇか、どうすんだ？！」
「物をガンガン燃やすにはどうする」
「フーフー装置でガンガン空気送る、水車で作った奴だろ？」
「じゃあ逆に燃やさねぇためには？」
「！……空気を、なくす…？！」
「水銀の空気を巻き込む性質を利用して電球ん中を真空にしてく！」
「おぉー！スゲー！なるほどな」
「コレで量産すっぞ、もう夜真っ暗になる事はねぇからな」
千空達の手により作られた大量の電球を、司や大樹達が村1番大きな樹に飾って行く
私は予め杠達と用意した子供達用のプレゼントを袋に入れて、
それとは別で前に硫酸湖に行く前に渡した小さなお守りの新しい物も入れて、準備が終わるのを待っていた
コレが終われば司達は出発だから、村で皆で過ごせる最後の日だ
「雪…綺麗ですね！」
「ヤベー雪だ！点灯テスト中止か？」
「……いや、出来れば今日が良い」
雪が降る中、灯りがともる、一斉に
今まで人生で見てきたどんなイルミネーションより、その光景は綺麗に見えた
「イルミネーション…なんか一気に戻ったみたいね〜現代に」
「ここまで二ヶ月、オホーけっこうかかっちゃったの〜」
「いやまぁ予定通りだ」
「あ〜もしかして今日って、クリスマスか！」
「あ"ーそういやそうだな、偶然にもな」
「ウッソ〜〜」
173→メリークリスマス〜出発前の最後の時間→←170→(番外編)入学式をやろう！��
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作者名：美玖 | 作成日時：2023年8月22日 8時
