耕くんへ 4

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名取｢こちら翔北ドクターヘリ、患者情報を伝えます。｣


久々のヘリに名取は少しの不安と懐かしさを覚えていた。


橘に頭部CTをお願いし、名取は無線を切る。


冴島｢…名取先生。｣


冴島は目を合わせないで名取に話しかける。


冴島｢藍沢先生となにかあったんですか？｣


その問いかけに名取は固まる。


しかし、名取は何も答えない。


冴島｢…言い方を変えます。藍沢先生は名取先生のお母様がおっしゃっていた内容で名取先生と一緒にいたわけじゃないと思います。｣


名取｢…え｣


名取は驚いて冴島を見る。


冴島｢すみません、たまたま聞いてしまったんです。｣


名取は目を泳がせる。


名取｢…藍沢先生には？｣


冴島は首を横に振る。


名取｢…藍沢先生には、言わないで欲しいんです。｣


冴島｢…名取先生。｣


名取｢お願いします。｣


名取は声を震わせながら冴島に頭を下げた。


冴島はなにも言うことが出来なかった。

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