【第4話】 笑顔の効能 ページ32
橘「えー、それでは。冴島君と雪村君から一言頂きたいと思います。どうぞ。」
冴島「子供や現場のことも考えて、ヘリは降りることにしました。内勤だけになりますけど、産休に入るまでは働きますのでどうぞよろしくお願いします。」
藤川「悪いね!気使わせちゃって!」
でれでれした顔の藤川を邪険に扱う冴島。
緋山「喜びすぎ。」
橘「じゃぁ、雪村君。」
雪村「冴島さんの穴は大きいと思いますが、それを感じさせないように頑張ります。」
緋山「…大きく出たね。」
_ピピピプルルルル
しかし、こんな時でもホットラインは入る。
白石「翔北救命センターです。」
『印旛南消防よりドクターヘリ要請です。』
橘「お〜、来たぞ?」
雪村「ヘリ、確認します。」
『印旛川の河川敷でバーベキュー中にカセットコンロが爆発。30代男性と8歳の子供がけがとのことです。』
雪村「ヘリ、OKです。」
白石「出動します。」
『ドクターヘリ、エンジンスタート。』
その言葉に橘、名取、雪村が動き出す。
_ブーブーブー
橘「もしもし。」
そんなとき、三井からの電話。
橘「…分かった。藍沢、すまんが代わりに行ってくれ。」
藍沢「はい。」
橘「息子が…急変した。」
ヘリが到着し、人混みをかき分けていくと患者の姿が。
女性「先生!先生早く!息子を!」
息子の首元に何かが刺さっている。
藍沢「藍沢です。変わります。お父さん少し待っててください。息子さんの治療を優先します。」
男性「お願いします。」
藍沢「…さてどうする名取。」
名取「セオリーなら抜かずに翔北に搬送して画像診断ですか?」
その言葉に藍沢は一つうなずく。
女性「何してるんですか?早く抜いてやってください!ねぇ、ねぇどうして!」
母親が雪村に詰め寄るも、雪村は知らん顔。
藍沢「落ち着いてください。ここで抜くのはかなり危険です。首の中で血管や神経を傷つけていないか病院で検査をした後慎重に抜きます。いいですね?」
女性「…お願いします。」
その様子を見て、名取は藍沢の見えにくい優しさにまた昔を思い出していた。
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作者名:EMI | 作成日時:2020年4月11日 13時