耕くんへ (ページ20)

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【第2話】　導く者ページ20

藤川｢っだぁ。藍沢来てから救命空気悪すぎ！だから俺は反対したんだよ。あいつ戻すこと。｣

緋山｢あんた大賛成だったじゃん。｣

藤川｢そうだっけ？｣

藍沢はフェローを育てる気など一切ないような物言いをしていた。

どちらかというと潰すような…

緋山｢まぁ、でも。白石の生真面目もどうかと思うよ。フェローなんて罵倒されて育つんだから。藍沢なんかほっとけばいいのよ。｣

藤川｢だったらお前、もう少し上手くやるように言ってくれよ。｣

緋山｢どっちに？｣

白石｢…だから、もう少し言い方があるんじゃないのって言ってるの。あんな言い方してフェロー達がやめるなんて言い出したらどうするの。｣

藍沢｢あれくらいで辞めるならはやいほうがいい。｣

白石｢フェローは大事に育てなきゃいけないの。｣

藍沢と白石が言い合いをしながら入ってきたのを見て、緋山と藤川はそそくさと退場した。

白石｢人手不足を解消するには、彼らを一人前にするしかないんだから。｣

藍沢｢それで治療が遅れたらどうするんだ。あいつら指導してたんで死にましたって患者の家族に説明するのか？｣

白石｢じゃぁはじめから優秀な若手を連れてきて。できないでしょ？救命は、今のメンバーでベストを尽くすしかないの。とにかくその人を突き放すような言い方は辞めて。｣

藍沢｢俺は頼まれて救命に来ただけだ。｣

白石｢そうね。頼んだ私が馬鹿だった。一週間前の私に言ってやりたいわ。この性格の悪い医者は辞めとけって。｣

藍沢は医局から消えていった。