この世界で君に出逢えたこと 2

降り止まぬ雪 ページ38

飛行機のチケットも
手続きも社長が済ませてくれていて


それが
どれだけ今の現実が深刻なのかを
物語っていた。







・





雪が降っていた。


それもしんしんと
降り止むことのない雪・・・


日本に帰ってきたのはいつぶりだった？





高校を卒業した私はすぐにでも
家から出たかった。


いつも喧嘩の絶えない両親。



お世辞にも
幸せと言えないそんな
家庭で育った私は








一刻も早く家を出た。




必死で勉強して就職先に選んだ場所は
東京だった。

実家になんてなんの未練もなかった。





それでも
連絡のやり取りはしていた。


だけど、
わたしはゆっくり実家に帰ることなんて
しなかった。


久しぶりに帰ったのは
私が韓国に行くことを決めた年。

やっぱりそれでも、子供って言うのは親に対して無償の愛情があって。

韓国で働くって決めたとき、
やはり伝えたかったのは親だった


久しぶりの実家で
２人は随分まるくなってた。

あんなに喧嘩していたのに、
たまにの休みにはどこかへ出かけるそうで。




それにはびっくりだった。

ふたりとも本当に穏やかだったので、
反発した自分がバカくさくなっちゃって。





家族っていう大切な時間を
何年ぶりに味わって韓国へ旅立った。


「またすぐ帰ってくるから ー」

私はぶっきらぼうに父に言った。


これからどのような光景が広がるんだろうか・・・

繋がらない母の電話。聞くのが怖かった。


とにかく、叫びそうな気持ちを抑え

病院へと向かった・・・

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