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赤く瞬く細雪 ページ40

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「っ、────!!!!」

「ッ、馬鹿っ、」



喉から絶叫が迸る前に、強引に口を塞がれる。


「町一つ凍らせるなんて、こんな芸当が出来るのは十二鬼月くらいだ! 俺らが手に負える相手じゃない、気付かれる前に撤退を──」


「──あれ? まだ生きてる人間が居たんだ。全部凍らせたと思ったんだけどなあ……」



ひゅ、とそばで音がする。目の前には一体の鬼。虹色の瞳に、頭頂部のみが血で染めたように赤い金髪の鬼。


その目に刻まれた文字は、“上”と“弐”。


鬼舞辻の増やした鬼の中で、圧倒的な強さを誇る十二体、十二鬼月。その中でも弐番目に強い──



(上弦の弐……!)



──そしてその腕に抱えられていたのは、何よりも見覚えがある人だ。



「……母上……ッ!」



***



「あれ、君はこの子の知り合い? ていうかその服……ああ、君たちは鬼殺隊なんだね!」

「っ、その人を離して!」

「わっ」



十薬さんをほぼ突き飛ばすようにはね除けて抜刀する。私の技量では頸は斬れない。代わりに狙うは彼女を抱える腕!






──灯の呼吸、捌の型。






「──飛輪風灯!」




牽制を交えた独特な太刀筋で斬りかかれば、案の定躱される。それでいい(・・・・・)。私は緩んだ腕の拘束から母上を掠め取り、すぐさま後退。体勢を立て直した。



「母上、母上っ!」


私は奪い返した母上に呼びかける。さっきまで隠れて見えなかったけど、その腕の中には誠司もいた。お願いだから目を覚まして、返事をしてっ!


「お、おい」

「わあ、君、随分と早いんだね! 新人さんに見えたけど、実は結構経験積んでるのかな? でも残念だねえ」


敵前であることを考慮した十薬さんの声を押し除けて、あの鬼の間延びした声が凍った町に響く。




「──その子、もう死んでるんだ」




──パリン、と高く澄んだ音が聞こえて、母上の体が崩れ去る。腕の中の誠司ごと──




「凍らせてたからね。急な動きには耐えられなかったんだね、可哀想に。君が無理やり持ってかなければ、そんな風に崩れることもなかっただろうに」




粉雪のように舞った血液が、私の頬に付着して溶けて。
涙と混ざり合って滴り落ちるそれが、母上だった欠片に降り注ぐ。



「う、あ……!」

「うんうん、辛いね、悲しいね。でも大丈夫。今俺が救ってあげるから……」



そう言って鬼が扇を一振りすると同時、生み出された氷柱は──





「……遅くなってごめんね、A」


「カナエさん……っ!」





──一刀のもとに、斬り落とされた。

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ドジ猫(プロフ) - 絵宙(えそら)さん» 一応、炭治郎の髪ってことで炭治郎本人は数に入れてないです! わかりにくくてすみません!汗 (2020年3月30日 6時) (レス) id: a192f6ddb7 (このIDを非表示/違反報告)
絵宙(えそら) - ページ5の「込められた想い」では、弟の数は、茂、六太、竹雄、炭治郎(漢字が違うかもしれません)で、四人だと思います。細かくてすいません。これからも頑張ってください!楽しく読ませていただいてます! (2020年3月30日 3時) (レス) id: 63faa5bcfc (このIDを非表示/違反報告)
由亜(プロフ) - とっても面白いですね!一気に読んじゃいました。寝転びながら読んでたんで、シーツの一部分になみだのしみが・・・(泣きました)これからlet's続編で御座います!面白い小説を有難う御座いました (2020年2月24日 4時) (レス) id: d2128f7714 (このIDを非表示/違反報告)
タートル(プロフ) - 失礼致します!面白くて一気に読んでしまいました!私も鬼滅のお話を書いているので良かったらお越しください。 (2020年2月19日 20時) (レス) id: 77bb05bd52 (このIDを非表示/違反報告)
ドジ猫(プロフ) - なるは。さん» ありがとうございます!嬉しすぎて顔がにやける……!これからもよろしくお願いします!! (2020年2月16日 22時) (レス) id: a192f6ddb7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ドジ猫 | 作成日時:2019年12月19日 0時

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