想像をはるかに超える (ページ43)

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荷物を持って立ち上がるから、慌ててその手を掴んだ。

『日本語で捲し立てないでよ！
待って！今日はお泊まりだったでしょ！』

「不健全な状態でいるのはお互いのためによくないので！
失礼いたします！」

掴んだはずの手を振り払って出て行ってしまった。

えっと…あれ？

確か…ユンギヒョンのグッズ持ってて、俺がそれに怒って…で、彼女は一体何に怒ったんだろう。

あまりにも流れるような、勢いのある言葉に気圧されてしまって、瞬発力が発揮されなかった。

何言ってたんだろ？
すごくすごく怒ってた。

電話しながら慌てて追いかけたけど、電話に出てくれない。
メッセージも見てくれない。

〈どこ？〉

〈日本語だったからわからなかった。
何を怒ったの？〉

〈どこにいるの？
電話出て？〉

〈危険な目にあってないよね？〉

〈大丈夫だよね？〉

〈模範タクシーに乗った？〉

〈お願い！
連絡返して！〉

〈しつこくしてごめん。
無事かだけ知りたい。〉

〈気が狂いそう〉

〈無事だよね？〉

〈今、車で部屋まで向かってます。〉

車でも何度も電話をかけるけど、出てくれない。
家に着いて、初めて震える指先でインターホンを押した。

最近…俺はかっこ良くなかったと思う。
だから、もしかしたら、最初の頃の不安が的中したのかもしれない。
かっこ良くない俺に嫌気がさした？

俺にとっては大きなことだけど、まぁそりゃ確かに俺だってIUさんのグッズは持ってるし、それをとやかく言われたら、どうしようもない。
その好きと、この好きは違うじゃんって。

でも、わかってても俺は言いたかった。
ダサいってわかってるけど。

〈お風呂？
勝手に部屋に入っていい？〉

不安で…不安で…いつも君は大きな大きな無償の愛を注いでくれたから。
わかってたけど、俺は結構愛を受け入れる器は大きくて、そこにはARMYの愛も入ってるけど、Aがどれだけ注いでくれても、溢れることも満ちることもない。

それを原動力にして動いてるから。