想像をはるかに超える (ページ35)

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なんて、相変わらず擬音がすごくて、訳わかんないこと言って走って滑って壁におでこぶつけるの。
別に汗の臭いなんてしないし、俺はそのままでもいいのに。

こないだは、料理してるヌナの後ろ姿がちっちゃくてかわいいから、ギュッてして頭にキスしたら

「ひっ！！！」

って変な声あげて、フライパンを豪快に床に落としたし。

それで見事に調理途中の物は床に散乱するし。

ヌナん家はガスコンロだから、火が危ないし、もう絶対料理中は我慢しようと決めた。

心の準備が出来てるとそんなことにはならないんだけど、まあ、その心の準備がなかなか出来てくれないから厄介だ。

お酒を飲んでフワフワしてくれればいいけど、彼女は酒を飲まない。
無理に飲ませる気はない。

夜、一緒にベッドで寝てくれるようになっただけで、かなりの大前進だと思わなきゃ。

触れられるようになったその唇にキスをして、真っ赤になった彼女の顔を指で撫でる。

『もう寝よ？
ヌナは明日もお仕事でしょ？
んしょっ！』

お姫様抱っこでベッドまで

「ん…おやすみ…グーちゃ…。」

『おやすみ、A。』

はぁ…俺の息子よ…ごめんな…不甲斐ない父で。
お前の活躍はまだ当分ないだろう。

一生分、9ヶ月前までやりまくったと思って落ち着いてくれ。
お前は9ヶ月前までは大活躍だったよ。
本当、どうかしてるくらい。
あの頃に戻りたい訳じゃないよ。

欲を満たすためだけの行為に、心の満足感はないから。

はぁ…