想像をはるかに超える (ページ31)

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『ごはんと卵スープと野菜炒めとサラダとステーキです！』

「ありがとう！
美味しそう！」

グズグズと泣き出すから、仕事がそんなに辛かったのかと頭を撫でると

「グーちゃが…私の為に…。」

そっちか…俺の料理くらいでそんなに？
いろんな角度から写真を撮っている。
それも料理の。

「すごい…素敵！
焼き加減も完璧！
え！
やだ！
盛り付けも上手！
ぐーちゃ、優しい！」

『…(すぐ元気になる、単純な奴)…可愛いね。』

「え？」

『早く食べないと冷たくなったら美味しくないよ？
ステーキ、切ってあげる。』

「うん！
あと、ちょっとだけ拝んでから。」

両手を合わせてブツブツ言いながら本当に拝み出した。

『もういいから、また作ってあげるから、本当に食べなって。』

食べるのが勿体無いと、お腹ギュルギュル言わせながら目をかっぴらいて至近距離で凝視してるから、口に入れてあげる。

「ふーはんに…はへはへへもはった！」

って、エヘヘって笑うから可愛すぎんだろ！！
だから、スプーンでご飯も入れてあげて、スープもフーフーしてあげて。

「じょ、ジョングク様が息を吹きかけたスープ…プライスレス…。」

ダメだ、本当にこの人…ダメな人だ。
俺がいなきゃダメなかわい子ちゃんだ。

　
せっせとお世話してあげて、お口も拭いてあげて、片付けしてる間に歯磨きしなって言ったら、速攻で歯磨きしてきて、また洗い物してる俺を撮影してる。

『そんなに撮ってどうするの？』

「写真集を…普段の何気ない素敵なぐーちゃんの写真集を作ろうかと…。」

写真集4冊あるけどまだ増やすんだ。
たまにここに来た時に見るけど、本当に俺が好きなんだな。

少しでも気が紛れたなら俺も彼女の役に立てて、笑顔にさせられて良かったなって思う。

その日は、もしかしたらに備えてだけど、出番がなかった。

あんなに落ち込んだヌナを見て襲うほど、飢えてるけども…そこは、やっぱり、我慢しないと。

とびっきり優しく甘くしたいもん。

抱っこしてトントンしてあげて、頭もよしよししてあげる。

ヌナもすごく甘えてきて、腕に顔を擦り付けて来たり、指や手をしきりに撫でて来る。

我慢だ、我慢、俺は…俺は今のこの幸せを噛み締めるんだ。