[HQ] 甘&激甘①[短編集] (ページ10)

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木.兎光太郎 [安心しないで] ページ10

私の彼氏は可愛い。
やることとか発言とか行動とか母性本能をくすぐられてしまう。
見た目は…可愛い…のか……、まぁ見た目も含めて全部が可愛いと思ってしまう。

「A～」
廊下を歩いていたらよく知った声に呼ばれた。シュンとした顔をした光太郎がいた。

ほら、可愛い。

『どーしったの？』
顔をしたから覗き込んだ。

「あのよ～、俺さぁ～、すっげぇ昨日試合頑張ったのによ～、A途中で帰っちまうからさぁ～」
最後まで観て欲しかったのに、とプーっと少しむくれている。

ふふっ、と笑ってしまいそうになったが本人としては大問題のようなのでわからないように笑う。

『ごめん、ごめん。昨日はバイトが急遽入っちゃって』

「めちゃめちゃスパイク決めてたのに試合終わったらお前いねーし」

今回は機嫌が直すのが時間がかかる。

『ごーめんって。…あっ！そうだ、今日お母さんとお父さん夜いないって言ってたよね？ご飯作りに行ってあげるよ！』

光太郎のパパママとは仲良くさせてもらっていたので、ママがいない時はご飯をたまに作りに行っていた。

「マジっ！？」

パッと顔が明るくなった。ほんと光太郎は見てて飽きない。

『うん！光太郎が食べたいの作るよ！』
ハンバーグがいい！！とまたまた可愛い注文を受けた。

光太郎の部活が終わるのを待って一緒に帰った。

『お邪魔しまーす』

リビングへ入り買ってきた材料を床に置く。光太郎は着替えてくるーと自分の部屋に上がっていった。

光太郎が戻ってきた時にはもう作り始めていた。まぁそんな難しい料理ではないのでパパっと出来上がった。

一緒にいただきますをして、うめぇー！と言いながら食べてくれるのを微笑んで見ていた。

食器を片付けてから光太郎の部屋に移動した。

「あー、腹いっぱい！！」

光太郎はベットにごろんと仰向けに寝っ転がった。

『それは良かったです』

私は床に座って伸びをした。
光太郎は上を向きながらスマホを見ていた。

突然ガバッと起き上がり

「そうだ！Aに見てほしいんだけどよ！」

光太郎はベットに座ったまま後ろを向いて背中を親指で指差した。

「これ、ちょーかっこいいだろ！！」

背中に書いてあるのは

"ここで決めるのがエース"

と黒地のTシャツに筆文字の赤で書いてあった。

まさに俺！と笑っていた。