[HQ] 甘&激甘①[短編集] (ページ5)

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月.島蛍 [膝の上に乗っかって] ページ5

床に座り、バレー雑誌をずっと読んでいたら欠伸が出てきた。
隣にいる蛍もずっと雑誌を読んでいる。

テスト期間なので部活がなく、一緒にテスト勉強をすることになった。
私も蛍も勉強はそこまで苦手ではないので、サクっと勉強会は終わった。

ーーーーあ、そういえばプリッツ買ったんだった

読むのを飽きた雑誌を閉じて鞄の中をガサガサ探し出す。箱を取り出して袋を開けて一本食べる。

ポリポリポリポリポリポリポリ

ポリポリポリポリポリポリポリ

「ちょっとポリポリうるさいんだけど」
蛍が雑誌から顔を上げて言った。

『えー、だってしょうがないじゃーん』
プリッツの音を消して食べる人見たことないし。

蛍とは私から告白して付き合った。
絶対断られると思ったけど

「…まぁ別にいいけど…」

まさかの結果で付き合うことになった。
最近なんでオッケーしてくれたのか聞きまくって答えさせたら、

ーなんか空気感が似てる気がしたから

と教えてくれた。

部活後に一緒に帰ったり、オフの日は蛍はめんどくさがるけどお出掛けもしている。

でも蛍っていつも飄々としててなんとかできないかなー

と密かに思っていた。

『蛍さぁ、プリッツ食べる？』
親指と人差し指でプリッツを掴み蛍に見せた。

「…食べる」
ほい、とプリッツを渡した。

ポリポリ

『ほら、蛍だって音するじゃん』
「不可抗力」

なんだそりゃ。

おもむろに私はプリッツを口に入れて蛍に向き直った。

『はい、どーぞ』
口でプリッツを咥えたまま話した。

「何それ」
眉間に皺を寄せている。

『ポッキーゲーム的な』

試しにやってみた。蛍は絶対のってこないだろうと思ったが。まぁ嫌な顔をしてる時点でこのゲームは終了だ。

ところが

「ふーん……じゃあ…」

蛍の顔がぐいっと近づいてきて半分ポキッと折った。

ーーーー！？

「はい、次はAの番」

そう言って後ろのベットに背もたれして、プリッツを口に咥えて私の方へ突き出してきた。

びっくりして自分が咥えているプリッツを落としそうになったが、そのまま食べた。

『…蛍、そうゆうののってこないって思ってた』

「早くして」

私がソワソワしてるのは御構い無しですか。

蛍に近づくが

ーーーー足が無駄に長いので横からだとやりづらいかも

「じゃあ膝の上乗りなよ」

私の気持ちを読んだのか、１つの提案をしてきた。