[HQ] 甘&激甘①[短編集] (ページ31)

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五色工2 ページ31

ダメだ、もうこれは素直に謝ろう。あの夢のことを言わないで。

「A、昨日は避けてごめん！」
『なんで避けたの』
「…」
潔く男らしく謝ったが、ふた会話目でなぜ避けたと理由を聞かれて黙ってしまった。
Aはこっち見てくれないし。

「…それは…ちょっと……言えねぇ。ごめん」
本当にこれを言ったら絶対引かれるから言えない。

Aはそこから少し黙って話し始めた。

『私は…つとむに嫌われたのかと…思った」
ん？Aの声がいつもと違う…まさか泣いている？！

バッとAをよく見ると目から涙が…

俺は…俺の大事な彼女を…俺で泣かせてしまった…

大好きで大好きで付き合って、いつも優しくしてくれて、応援してくれて、慰めてくれて、笑いかけてくれて…そんな大切なAが泣いている。
自分のせいで。

堪らず抱きしめた。
「っごめんっ…！！自分のことしか考えてなかった…ホントごめん…」
『……なにがあったか言ってくれないんだね…』
「そ、それは…言ったら、A絶対引くから言えねぇ…」
抱きしめながらそれは勘弁してくださいと切実に思った。

『………言ってくれないと別れる』
「え！？」
びっくりして一旦身体を離した。
『だってそれが原因で私傷ついたんだよ』
「…それは…そうなんだけど……わかった、言う。でも俺のこと引くなよ」

Aに向かって話し始めた。

「…あのー、夢でAが出てきてさ……なんだ、あの…Aとヤっ……ヤ…ヤッてる夢で…それがまたリアルっつーか……っなんてゆーか…Aの顔見たらそれを……思い出しちまってダメだった…だから避けた……ごめん」
Aに顔を見られたので目線を逸らし、男とはそうゆうもんです、と小さな声で言った。

『…つとむは気持ちよかった？』
「え？！あ、…ハイ…よかったです…」

『……夢の私に嫉妬する…つとむの初めては私が貰いたかった…』

……そんなこと言われたら俺が奪いたくなる

下を向いていたAの頬っぺたを優しく両手で挟み、顔を上げさせた。

「俺は…夢じゃなくて、ホントにここにいるAとちゃんとシたい…いつか…」
自分で言ってて熱がこもる。

『……私も夢よりいいって、こっちのがいいって思わせたいっ………んっ…ん…』
離し終わった瞬間待ってられなかった。
詰め寄り唇を求める。目の前のAが愛しくて。

廊下にいた人の気配がなくなっても俺たちは離れなかった。