黒.尾鉄朗4 ページ4
「んで、お姫様はなにを所望ですか？今なら全て叶えますよ」
そう言って、握られてる両手を離さずぐっと近づいてきた。
『……って…してほしい……』
また下を向いてしまった。
「…ん？」
鉄朗は更に近づいてきて、優しく聞いてきた。
『………ギュッってして…ほしい……』
前からずっとずっとしてほしかったことを鉄朗に伝えた。
あまり会えなくなってから、鉄朗が廊下を歩いている姿やバレーをしている姿を見ては、甘えたい、抱きしめてほしい、と欲しがっていたから。
「では、仰せのままに」
すると鉄朗が足を開き私を両足の間に収め、背中に手を回し、大きな身体の中にスッポリ入った。
もう意地をはるとかはなく、ただ目の前にいる大好きな人の温かさを感じたいと思い、私も両手を背中にあてて鉄朗の顔の横に縋り付いた。
「Aは意外と寂しがりやさんなんだなぁ。まぁ俺もこうしたいってずっと思ってたし」
鉄朗は抱きしめながら言った。
『……全然そんなふうに見えなかった。私だけがそう思ってるみたいだった』
静かに呟き、肩にぐりぐりと額を擦り付けた。
「んなことねーって」
それを聞いてギューっと鉄朗を求めた。
鉄朗は頭をポンポンとしてくれた。
「あとは何をしてほしいですか？お姫様」
鉄朗が身体を離し、腰に手を回しながら聞いてきた。
『…………ちゅーしてほ…』
最後まで言うことなく鉄朗にキスされた。
びっくりしたが、すぐ目を瞑った。
最初はただ口をつけているだけだったが、だんだんと鉄朗の唇が私の唇を啄むようにキスをしてきた。
ついには舌を入れてきた。
鉄朗は私を離すまいと、ぐっと手で腰を近づけてきた。
『……んっ…はっ………』
角度を何度も変えてキスされる。身体が火照る。
ずっと抱きしめてほしいと思っていた人とキスをしていると思うとお腹の下がキュンとした。
だんだんと鉄朗と愛し合いたいと、そういう気持ちになってきた。
キスをしながら床に押し倒されていた。
唇が離れ鉄朗と見合う。
「…他には何かご所望ありますか？」
囁くように耳元で言われた。ゾクッとして肩が上がってしまう。
『……………抱いて…？』
覆いかぶさっている鉄朗に上目遣いで伝えた。
「はいはい、お姫様」
そう言って再び深いキスが始まった。
今日は満足するまで甘えさせてください。
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作者名：フラムボン
| 作成日時：2019年9月26日 15時
