影山飛雄2 ページ24
今も仲良くしているが、後ろにいる飛雄は男の子から男になり、私は女の子から女になった。
大きな身体に包まれてそれがよくわかる。
改めてそれを思うと胸がギュっとなった。
お互い大きくなったなぁとかじゃなくて、異性として意識できる年頃になったんだと思った。
そう思うと爪切りが終わってほしくなくなった。
まだずっと飛雄に包まれてたい。
そう思っても終わりが近づく。
最後の爪を切って、あー終わっちゃったと寂しくなった。
「じゃー、またこっち出して」
飛雄がヤスリを持ちながら最初にやった方の手を指差した。
やった、と心の中で思った。
私ばっかりド○○キと色々考えてるけど、飛雄はなんも考えずに爪をいじってるのが少し腹立だしくなり、何かしてやろうと思った。
私は飛雄に寄っかかった。
飛雄はすぐ気付いたようで、
「おい、重い」
と言っただけで何も変わらなかった。
ダメかと思い、ヤスリが終わった方の手で飛雄の太ももに手を置いた。あくまでも自然に。
「…なんだよ」
と不機嫌そうな声が聞こえてきただけだった。
あぁーあと思い、そのまま最後まで爪ヤスリをしているのを見つめていた。
「…ほら、できたぞ。プリン寄越せ」
そう言ってヤスリを机に置いた。
『ありがとー！やっぱきれー！』
色々あったがやっぱりやってもらってよかったとお礼を言った。
では、プリンを…と立とうとしても立ち上がれなかった。
後ろから飛雄に抑えられていた。
『なに、どうした？』
「……お前が…色々してくるから…顔熱い。見られたくない」
飛雄がボスっと私の肩におでこをつけてきた。
飛雄も私に意識してたのかと、一気に先ほどの感情に戻ってしまった。
『……じゃあ……しばらくこのままで…います…」
「…おー」
小さな声で答えた飛雄から離れられなくなりそうだった。
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作者名：フラムボン
| 作成日時：2019年9月26日 15時
