[HQ] 甘&激甘①[短編集] (ページ20)

今日:28 hit、昨日:33 hit、合計:911,597 hit

菅原考支 [想いを込めて] ページ20

ーーーーもー、やってらんない、ホント全部やだ…

やる事全て裏目に出て、色んな人に迷惑かけて、なにやってんだろ。
１つが上手くいかないと全部がダメになる気がする。

なんだか帰る気にもなれずに机と仲良くしていた。

「あれ？Aどーした？今日塾とか行ってたべ？」
『あー、こーしー…こそ部活行かないの？』
「俺は委員会だったから、今から部活行く」
孝支は荷物を取りに来たようだった。

『……ふーん、じゃあ部活ガンバー』
「…A何かあったっしょ？」
『……………うん』
見た通り落ち込んでいる私を見て孝支は隣の席に座ってきた。

「ん？どした？なーにがあった？」
困ったような目をして優しく聞いてくれる孝支の声を聞いて目から涙が出そうだった。

私は最近上手くいかないとか、全部ダメだとか、思っていること全て吐き出した。その間、孝支はうんうんと聞いてくれてた。

「Aは頑張りすぎ。たまには息抜きしないと壊れるぞ」

孝支はほれっと言って両手を出してきた。

「存分に息抜きしなさいな」

ーーーーんんぐぅーーもう、無理…

せっかく我慢してたのに孝支のなんでも受け止めてくれる雰囲気に泣き出して、ギュッと抱きついた。

孝支は頭ポンポンと撫でてよしよしと言ってくれた。
しばらくの間ずっと抱きしめてくれていた。

「ちょっとは元気でた？」
『…うん』
「俺の力すごいべ？」

ほんとだね、と言いながらまたギュッと擦り寄った。

「Aはもっと俺を頼っていいし、頼られないと彼氏として不安になる。Aを想ってるから受け止めたいと思うし」

『ありがと…』

「これからはなんかあったらすぐに俺に言うこと」

『はい、わかりました』
涙は止まり、孝支に目線を合わせた。

「もし俺がへこたれてたら優しく抱きしめてね」
『もちろん』

2人で笑いあった。

「じゃー俺部活行かなきゃなんねーから」
『あ、うん、ごめん引き止めて』
「大丈夫大丈夫！副主将だしちょっと遅れてもヘーキ」

ガラガラとドアから出ていくのを見つめた。

私は大きく深呼吸して鞄を持ち歩き出した。