及.川徹 [溺れる]※ ページ16
徹の部屋で私たちが発している音が聞こえる。
始めると長くなり歯止めが効かなくなるのが徹とのキスである。
求めすぎて歯がたまに引っかかるけど気にしない。徹との距離を埋めたいから。
「…んっ…」
徹が色っぽい声を出して身体が疼く。
女でも好きな人の声を聞いて興奮するのだ。
一旦唇を離すとツーっと透明の糸を引いた。
『……とーる…』
「…ん？」
『…大好き…おかしくなるぐらい好き』
「俺も好きだよ…大切にしたいのに壊したくなる」
至近距離で愛を確かめ合う。
『壊して…？」
キスを再開して、どんどん身体が床に倒されていく。
『…んはっ…んっ…んん…はぁ……』
執拗にキスをされて逃げられず声が漏れる。
口と口をくっつけてるだけなのにこんなに気持ちいいのはなぜなのか。
背中に手を回して徹のTシャツをめくった。
「積極的なコ嫌いじゃないよ」
徹は笑って下から上に捲り上げて脱いだ。
露わになった身体を撫でて、熱い視線を向けた。
『これからこの身体に抱かれるって思うとキュンってする……他のコなんかに見せたくない』
「俺の身体はAのものだから…安心して？」
学校の徹は明るくて人気者でキラキラしてるが、気持ちよくて感じてる顔や私を欲しがってドロドロしてる顔は私だけしか知らない。
しかもその顔が今から見れる、その優越感がさらに気持ちを高ぶらせた。
「じゃあAも俺のものだから、俺しか知らない声をたくさん聞かせて…手で口塞がないでよ」
耳が弱いのを知ってて吐息交じりに囁いてくる。
もう限界…欲しくて堪らなくなった。
『…とーる……早くシよ？』
首に腕を回して上目遣いで伝えた。
徹のキスを待ちわびた。
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作者名：フラムボン
| 作成日時：2019年9月26日 15時
