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再会 ページ9

夏休みに入り、しばらく経った頃
部活も夏の大会が終わり、暇を持て余していた。
昼間ゴロゴロと食っちゃ寝しながら
リビングでテレビを見ていると


「今年も大賑わいになりそうですね!」
気になる当日のお天気は………

と、花火大会の特集をやっている。





花火大会____




毎年夏、唯一楽しみにしてるイベント。


今年こそ千冬と行きたいなぁ…
と思って、携帯を手に取る。
暫くの間、何てメールしようかな?と考えて
誘ったところで多分断られるだろうな…
って思って、メールを打つ手を止めた。





いつもの友達でも誘ってみるかな?


何人かにお誘いのメールを送ってみると
ピコン、と数分経たずに返信がきて
OK、楽しみだねー!
浴衣着てく?どうする?
なんていうやり取りを何度か繰り返した。



浴衣を着て出かける、というイベントは
1年に1度あるかないかというくらいで
何年か前、お婆ちゃんに買って貰った浴衣は
ずっとタンスの中で眠っていた。



__千冬に会えるかもしれない__
って思って、タンスの中から引っ張り出し
久しぶりに袖を通してみる。



白地に大きな紫陽花柄の浴衣は
「肌の白いAによく似合うねぇ…」
とお婆ちゃんが選んでくれた物。
毎回着る度に、もう分かったよ!って言うくらい
本当によく似合うねぇ…と褒めてくれた。



汚さないようにそっとハンガーに掛けて
当日は着付け誰に頼もうかな?
そう考えながら眠りについた。







当日、どうか雨が降りませんように
と、しつこくお願いしていたお陰か
嫌になる程の真っ青な空と入道雲が一面に広がる。



夕方になっても異常な程蒸し暑く
せっかく可愛くメイクをしても
着付けが終わる頃には汗びっしょりで
こんなに晴れなくても…
と天気を恨んでしまう。




ベタベタ張り付くし動きづらい…
通り雨でも降ってくれればいいのに。
と期待してみても、全くそんな気配すらせず
いつになっても熱いままのアスファルトを歩く。




友達と合流できた頃にはもう汗だくで
この先歩き回る事を考えると
それだけでどっと疲労が出てきてしまう。




花火始まるまで何か見て回らない?
金魚すくいと射的やろーよ!
かき氷食べたい…疲れた…


それぞれ違う事を口にしながら
あっちこっちと歩き回るわたしたち。




ふと目の前を通り過ぎる男の子。



どこかで見た顔___。




誰だったかな…と、なかなか思い出せずにいた。

来てたんだ→←雨の日の出会い



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作者名:ミリカ | 作成日時:2021年10月29日 19時

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