パパには内緒 ページ15
2人に会えたお陰で
気分もちょっとだけ上がり
じゃあまた、と手を振りながら
本当にすぐ近くの家へパタパタと走る。
ただいまー、とリビングのドアを開けると
暖かい空気がわたしを包む。
冷え込んだ体を温めてくれるように
ふわっと暖房の風が当たる。
お肉の焼けるいい匂いもする。
今日はハンバーグかな？
寒かったでしょう
暖かいご飯出来てるから
着替えたら先に食べよっか！
とママが言う。
パパはまだ仕事で遅くなるらしい。
チョコレートが温まって溶けないように
冷蔵庫の中にパタンとしまう。
『チョコレート？』
と何か言いたげな顔で
ニヤニヤしながら聞いてくるもんだから
パパにね！内緒だよ！
と言うと
『えーっ？』
なんて残念そうな声を漏らす。
しょうがないじゃん。
ママが思ってるより子供なんだよ。
好きな人に好きだ、なんて言えるほど
ママが思ってる程大人にはなれないよ。
「本命は明日渡すんだー。」
と嘘をついた。
ママはキャー！と顔を両手で覆いながら
うまくいくといいね、なんて喜ぶ。
そのくらいの嘘でいいなら
いくらでもついてやる。
誰かを笑顔にできる嘘なら
何度だってついてやる。
ただあの子には
あの子を笑顔にするために
わたしは嘘をつく事ができなかった。
心の中ではやっぱり嫌だと思ったから。
対抗心、みたいなものがあったから。
勝てるはずなんて無いのに。
階段を上って部屋に入り
モコモコのルームウェアに着替える。
明日はバレンタイン。
間違いなくあの子はチョコを渡すだろう。
だからなんだ、と両手で顔をパチンと叩き
忘れよう、忘れようと思い込む事にした。
暖かいご飯を食べながら
明日の放課後はカップルが増えるだろうな
友達は誰に渡すんだろう？
もしかしてあの人かな？
なんて想像する。
きっと赤面しながら
好きです、なんて言って渡すんだろうな。
あーあ。
どこの誰だよバレンタインなんか作った奴。
チョコ食いたきゃ勝手に食ってろよ…
と、どこの誰だかわからない人を罵倒しながら
一心不乱にハンバーグを口に運んだ。
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ミリカ(プロフ) - ゴリラの娘ですさん» うわー🥺嬉しいです！ありがとうございます♡もうすぐ終わる予定なので、楽しみにお待ちくだされ😭🙏 (2021年10月24日 22時) (
レス) id: 74af4c8036 (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラの娘です - ゑ、めっちゃ好きです。更新頑張ってください(*- -)(*_ _)ﾍﾟｺﾘ。 (2021年10月24日 21時) (レス) @page16 id: dfc5bee49e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミリカ | 作成日時：2021年10月22日 16時
