彼らに渡すチョコレート ページ14
見渡す限りのチョコレート。
お店の殆どのPOPには
沢山のハートが描かれている。
明日はバレンタインだ。
キラキラと可愛く飾り付けられた店内は
同い年の子や子連れのお母さん
会社で配って回るのであろうOLや
女子高生などで大賑わいだ。
「誰にあげる？」
『わたしはパパとねぇ…』
と友達2人が盛り上がる。
Aはどうすんの？
と聞かれて、別にあげる人いないしなぁ…
と返すと
佐野くんにあげないの？
と聞かれる。
何で？マイキーにはあげないよ！
と焦ってしまう。
頼むから今は名前を出さないでくれ。
心臓の奥がギューッと締め付けられるから。
せっかく買い物に来たわけだし
パパとクラスの仲のいい男の子に買おうかな
と思って、適当にいくつかカゴにポイっと入れる。
みんなあげる人が決まってていいな…
来年は本命チョコ買えるといいな…
なんて思いながら会計を済ませる。
その後本屋さんに寄ったり
夕飯前だというのにクレープを食べたりして
じゃあね、と帰る頃には真っ暗になっていた。
友達と別れてしばらく街灯の下を歩いてると
近くで数台のバイクの音が響く。
怖いなぁ…
また不良のお兄さんに絡まれたらやだな
家ももうすぐそこだし走るかな？
なんて考えてたら
「Aちゃん？」
『1人で歩くんじゃねーって言っただろコラー』
と、目の前に2台のバイクが止まる。
あの時の…！
『お久しぶりです』
と声をかけると
覚えててくれてよかった、と笑ってくれる。
まさかこんな所でまた会えるとは思ってなかった。
ひとりでトボトボと寂しく歩いていたから
2人に会えてちょっとだけ嬉しくなる。
『俺らでよかったな』
お前みたいなクソガキすぐ連れてかれるぞー
なんて、相変わらずニコニコとしながら
怖いことを言ってくるスマイリーくん。
「そうだよ、女の子なんだから…」
と、相変わらず怖い顔で家まで送ろうか？
と心配してくれるアングリーくん。
正直怖いな、って一瞬思ったから
2人の顔を見てホッとした。
家はすぐそこだから大丈夫です
という事を伝えて
せっかくだから先程買ったチョコを
どうぞ、と順番に手渡す。
次いつ会えるかもわからないし
バレンタインは明日だ。
誰に渡すのかも決めてなかったから丁度いい。
おぉー！と予想以上に喜んでくれる2人に
わたしもほっこりする。
喜んでくれてる人がいる
それはとっても嬉しい出来事だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 65人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミリカ(プロフ) - ゴリラの娘ですさん» うわー🥺嬉しいです！ありがとうございます♡もうすぐ終わる予定なので、楽しみにお待ちくだされ😭🙏 (2021年10月24日 22時) (
レス) id: 74af4c8036 (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラの娘です - ゑ、めっちゃ好きです。更新頑張ってください(*- -)(*_ _)ﾍﾟｺﾘ。 (2021年10月24日 21時) (レス) @page16 id: dfc5bee49e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミリカ | 作成日時：2021年10月22日 16時
