何度だって 【佐野万次郎】

確信 ページ21

夢を見た。




ずっとずっと暗闇の中で1人
何かを探してるんだけど
全然見つからなくて
そもそも何を探してるのか
それも分からない


それが不安で不安で
何がしたいのか
どこへ行きたいのか



あっちに行ったり
こっちに行ったり
もう疲れた
帰りたい。
でもどこに？
帰る場所なんかあるのだろうか？




泣きながら歩くわたしの手を
突然大丈夫、怖くないよって言って
ギュッと握ってくれる





……



という夢を見た。



誰だ今の？
あぁ夢だって気づいて
先程夢の中で繋がれた手を
ギュッと握ってみる。


何だ今の？
初めて見るタイプの夢だった。



寝すぎて頭でもおかしくなったんだろうか？
とカレンダーを見てみると
1月8日と書いてある。

寝すぎてはいないようだ。


明後日は誕生日。
相変わらずあいつから連絡はない。



夜まで待とう。
夜まで連絡がこなければ
わたしからしてみよう。



こんなに何日も声を聞かない日はなかった。
あの日万次郎は何を考えてたんだろう。
何故急に怒り出したんだろう。
今までだって何度も何度もあったはずだ。

男に振られる度
万次郎に泣きついた事も
その度万次郎が…



なんで、なんで。
何で万次郎なの




わからない？
気づかない？


わからないなら
確かめればいい。
聞けばいい。




きっとあいつなら答えを出してくれる。



まずは正直になろう。
そして謝ろう。




モヤモヤから確信に変わる。
そうだ
今までうまくいかなかったのは
全部わたしのせいだ。


ごめんと言われても
どこかでもういいや
とすぐに吹っ切れていて
ケンカにすらならなかった


わたしには万次郎がいるから。
そう思っていた。




何人好きになった人がいても
本当に好きだったのは
やっぱり万次郎だったんだ。







それを伝える？
伝えない？
今のこの状況が打開できるだろうか。
伝えたところで何か変わるだろうか。



違う。
変えるのはわたしだ。
何も変わらない日々。
そんな毎日はもう嫌だ。



そろそろ1歩、進んでみよう。

予想外→←弱い男の子？

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