検索窓
今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:21,128 hit

左と右 ページ6

あの時の俺の直感は正しかったんだ、と思った千冬は「つー事はAさんも殴り合いの喧嘩とかするんスか?」
ふと思った疑問をAにぶつけてみると、彼女は『そりゃするよー!私こう見えて結構強いんだよ?』当然でしょ!という目で見つめてくる。




マジか…。今まで知らなかっただけでどこかでチョロチョロしてたのかもしれない。でも普通気付くよな…?
女だぞ?誰も気付かないってのはおかしくねぇか?





チラリと横目で見る千冬に『冗談だよ』と笑うAは『喧嘩なんかしないよ、いざと言う時は守ってよー副隊長さん!』なんて可愛い事を言い出すが、場地に向けた蹴り足と、ひらりとドラケンを交わした身のこなし方は普通には見えなかった。
一体どこまでが本気なんだか全く分からない。





そんな風に考えていた俺の様子を気にする事無く、彼女はガラン、と2回自動販売機のボタンを押すと『どっちにする?』と暖かいココアを2つ両手に持つ。
両方同じ物をどっちにする?なんて言われても、別にどっちでもいい気がしたけど「じゃあ左で」と言ってみると、Aさんは『へぇ…珍しい…』と不思議な言葉を返してきた。




「何かあるんスか?」って聞いてみると





『左を選ぶ人はね、相手に守って貰いたいと思ってるんだって』





千冬で2人目だよーと何故か嬉しそうに話すAさんに「どっちかっつーと俺は守られるより守りたい方なんで」とつい口に出すと『…圭ちゃんもそう言ってたよ」少しだけ間を開けて今度は寂しげに呟いた。
『どこいるんだろうね…圭ちゃんは…』なんて小さくため息をつくと、日が落ちて少しずつ薄暗くなり始めた空を見上げた。




………そうだった。場地さんを探さなきゃいけないんだ。心当たりはある。が、はたして芭流覇羅の事をこの人に伝えてもいいんだろうか?という心配と、勝手に動いてマイキー達に怒られないだろうか?という事が気がかりで「分かんねぇっスね」という言葉しか口に出す事ができなかった。






ただ、今は笑ってこそいるが『千冬何か知らない?』と心配な様子の彼女をの顔を見ていると、このまま黙っていられるのも時間の問題だ。泣かれたりしたらいつかは喋っちまうだろうな…という気にもなり、どうすりゃいいんだよ…と心の中で大きくため息をついた。

振り出しに戻る→←影の正体



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (53 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
90人がお気に入り
設定タグ:松野千冬 , 東リベ , 東京リベンジャーズ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ミリカ(プロフ) - 朋香さん» ありがとうございます😭励みになりますありがたやー🙏更新頑張りますね! (2021年11月27日 19時) (レス) id: 364a550d38 (このIDを非表示/違反報告)
朋香 - 自分が東卍設立メンバーだなんて、、、頭が、、、  マイキーと場地さんと幼馴染とかメッチャ嬉しいです!!!これからも宜しくお願いします(^人^) (2021年11月27日 19時) (レス) id: ce2e19e94e (このIDを非表示/違反報告)
ミリカ(プロフ) - あらやだ😭🙏ご指摘ありがとうございました!! (2021年11月23日 23時) (レス) id: 364a550d38 (このIDを非表示/違反報告)
ぬる - オリジナルフラグついてますよ!(ボソッ (2021年11月23日 22時) (レス) @page1 id: 0bdfc834c6 (このIDを非表示/違反報告)
有栖川.@colorful 8?◎(プロフ) - おり、じなるふ、らぐ、立ってますよ (2021年11月23日 21時) (レス) id: 6bc5efe30d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ミリカ | 作成日時:2021年11月23日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。