訪問客 ページ3
その日から数日経った頃、色々調べ回った結果【芭流覇羅】という組織が少しずつ分かり始めてきた。
1つは8.3抗争のすぐ後に作られた新しいチームだという事。もう1つは首の無い天使と呼ばれていて、現在総長はいないという事。
考えれば考える程、何故そんなところに場地さんが…?
という疑問が湧いてくる。
学校にも暫く来ていないようで、空になったままの机と、持ち主のいない空いた席を千冬はただずっとぼんやりと眺めていた。
「何が副隊長だよ…何にもできねぇじゃん…」
呆れ返る程何事もなく過ぎていく日常に、自分から動く事もできず、かといってアジトまで乗り込んで行く事もできないまま過ぎていくだけの日々は、千冬にとって苦痛で仕方の無い事だった。
HRが終わっても、もしかしたら校内のどこかにいるのかもしれない。そう思ってなかなか教室から出られず、屋上や窓の外をキョロキョロと見回してみる。
が、何度目を向けても場地を見付ける事はできなかった。
そろそろ帰るか…と鞄に手をかけたその時、バタバタと騒がしく廊下を走る音が聞こえ、クラスの奴が教室の中まで入ってくると「千冬ー!お前に客来てるぞ!めっちゃ可愛い女!」と、興奮したように捲し立てる。「どこで知り合ったんだよ?!」なんてバカみたいに目を輝かせている。
はぁ……?!
女……?
今まで場地の事でいっぱいだった頭の中が、その一言で千冬の脳内を更にややこしくさせてしまう。
俺にわざわざ会いに来るような奴なんかいたか?
罰ゲームか何かか?と疑いながらも「どこに?」なんて聞き返してしまうところに恋愛経験の浅さが滲み出ていた。
「校門のとこ!待たせんなって!」と言いながらこっそり着いてくるクラスメイトと一緒に、ピョンピョンと飛び跳ねるように階段を降りると、本当に俺の客か?と半信半疑のまま様子を見に行ってみる事にした。
後ろ姿でよく見えないけど、女という事は間違い無さそうだ。この辺じゃ見かけない制服と、ふわふわの栗色の髪。パッと見た感じ知り合いにはいないタイプの子である事は分かった。
わざわざ探してまで会いに来るって事は、もしかして愛の告白とやらかもしれない…。
まさか俺にも春が来たか!?なんて、ニヤケながらも平然を装うと
「オマエ誰?俺に何の用?」
と、過去最高にキメ込んだ声で話しかける。
が、相手の反応は俺が想像するよりも、遥か斜め上を行くものだった。
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ミリカ(プロフ) - 朋香さん» ありがとうございます😭励みになりますありがたやー🙏更新頑張りますね! (2021年11月27日 19時) (レス) id: 364a550d38 (このIDを非表示/違反報告)
朋香 - 自分が東卍設立メンバーだなんて、、、頭が、、、 マイキーと場地さんと幼馴染とかメッチャ嬉しいです!!!これからも宜しくお願いします(^人^) (2021年11月27日 19時) (レス) id: ce2e19e94e (このIDを非表示/違反報告)
ミリカ(プロフ) - あらやだ😭🙏ご指摘ありがとうございました!! (2021年11月23日 23時) (レス) id: 364a550d38 (このIDを非表示/違反報告)
ぬる - オリジナルフラグついてますよ!(ボソッ (2021年11月23日 22時) (レス) @page1 id: 0bdfc834c6 (このIDを非表示/違反報告)
有栖川.@colorful 8?◎(プロフ) - おり、じなるふ、らぐ、立ってますよ (2021年11月23日 21時) (レス) id: 6bc5efe30d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミリカ | 作成日時:2021年11月23日 8時