STARLIGHT ２ (ページ4)

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約束の時間より10分早く着いたのに店員さんは意外な言葉を口にした

"お連れ様、もう到着されてます"

彩さんと目を合わせ「早いね」と口を揃えた

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個室の扉を開けると堀ごたつのテーブルに向き合って座る、隆二さんと岩田さん

「お疲れー！ほら、座りなよ」

にっこり笑って言うけど、岩田さん……

彩さんと分かれて座るんだよね？

「じゃあ私、こっちにしよ」

彩さんは先に岩田さんの隣に座った

荷物を端に置いて隆二さんの隣に腰を下ろしながら斜め前を見ればニコニコした岩田さん

分かり易い人。

「Aはなんとかコーダ？飲む？」

メニュー表を私に差し出しながら隆二さんがこちらに顔を向けた

『ピニャコラーダですよ！でもこういうお店にはなかなか無いかも…』

一緒にメニュー表から探して、指が同じ所を指した

「あった！」

顔を見合わせて笑って、あまりの近さに顔が熱くなった

「ちょっと！ここでチューしないでね」

あはは。と岩田さんが大きな声で笑っていて

「Aの唇、今日はヤバイよねぇ～？」

彩さんも一緒に笑っている

小さく唇を尖らせて隆二さんに見せてみた

どう？チューしたくなっちゃった？

隆二さんは下唇をギュッと噛んだ

甘い言葉はいつも耳元で響き渡る

私の右耳に手を添えて囁く

「「えぇーーー！」」

岩田さんと彩さんはそれを見てテーブルを叩いたり足をバタバタさせて騒いでいる

「A、何言われたの？」

岩田さんは俯く私の前まで体を乗り出して聞いてきた

「もういいから、注文するよ！2人は決まった？」

隆二さんに言われ2人はメニュー表に目をやりやっと選び始めた

私、しばらく顔上げられない

見れないよ……隆二さんの事……

"もう我慢しないから、後でたくさんしよ"

隆二さんのその声で、しかも耳元でそう言われたら嫌とは言えない

私達の曖昧な関係は平行線のままーー。