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冷えたビールが喉を通って体中に染み渡る。







お通しで出された枝豆を一粒口に入れようと指で押したら唇に当たりテーブルの上に転がった。








「あ、落ちちゃった」








「お前、落ちたの食うなよ」









「三秒ルール!てかテーブルなら平気じゃん」









「ほんとガサツ!」








言葉は冷たいけど、顔は笑ってる……つられて私も落ちた枝豆を摘みながら笑う。









「そういえば、さっきの子って俺の事知ってんの?」








「あー純ちゃん?知ってるよ、雑誌で臣の事見つけて!これがいつまでも出ていかない居候だよーって教えたから」








「へぇー。つか何その言い方ー。俺の事そんなに嫌なの?」








「そういう訳じゃないけど……」








口を尖らせて拗ねた真似をする臣……全然嫌じゃないよ?と言いたくなった。








でも言えない。








「これはマジな話なんだけどさ、来週辺りに出てくよ。店長がいい物件紹介してくれてさ」








「え………来週?」








「早い方がいいだろ?いつまでもお前らに迷惑かけれないからなー」








「そんな事!………ないのに」








「さっきはいつまでもーとか言ってたくせに?」









「それは冗談で……だもん」








「楽しかったよ、お前らとの生活。もっと居たかったけどさー、隆二がそろそろ怒りそうじゃん」








なら、いつまでも居ればいいのに……








いつかはこんな日が来ることを分かっていたのに、笑って話す臣を見て涙が出そうになった。








寂しいよ……そう伝える事が出来たらいいのに。

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作者名:taka | 作成日時:2016年1月21日 15時

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