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「おはようございまーす。あ、純さーん、おととい
なんで先に帰っちゃったんですか?」
徒歩の琴ちゃんはテカリさえなく朝から颯爽とやって来た。
若いって素晴らしい。
「琴ちゃん置いてかれたの?」
「だって無理なんだもん、あーいうチャラい男」
「かっこよければ良くないですか?」
「どこがかっこいいんだよ!あれは毎日ポジティブじゃん!無理だし」
「名前が出て来ない」とぶつぶつ言いながらトイレに入った純ちゃんの気迫に負けたのか琴ちゃんは静かに着替え始めた。
「琴ちゃんは上手くいきそうなの?」
「んー……微妙です」
「次だね次!純ちゃんのこと気にしなくていいからね?」
「あ、大丈夫です!いつも散々言われてるんで」
なんだー、落ち込んだのかと思って慰めようとしたのに違ったのか。
「臣くんだっけ?私はやっぱあんなイケメンがいいわー」
洗面台で手を洗いながら純ちゃんは天を仰ぐように体を反らせて大声で嘆いた。
「私も臣さんがいいなー!Aさん好きになったりしないんですか?毎日一緒に居るのに」
琴ちゃんのその質問であの朝のことを思い出してしまってつい喉を詰まらせた。
「彼氏よりイケメンなんて居ないって思ってんだよねー?幸せだもんねーAは!」
純ちゃんの嫌味ともとれる言葉にいつもならヘラヘラ笑ってた私だけど………
「そ、そうだよ!臣なんて好きに…な、ならない」
歯切れの悪い口調になった私を純ちゃんは笑っていた
「隆二くんが聞いたら悲しむー」
そう言いながら。
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作者名:taka | 作成日時:2016年1月21日 15時