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ムネの音。 ページ22

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「やばーい!A、弁当ー!」









なんともご立派な寝癖を作って寝室からドタドタ出て来た隆二。









「いつまでも起きてるから」








「え?だってさー………Aも」









おい!ちょっと待て!









今、何を言おうとしてるの?









臣がね?居るからね?……目の前に!









「りゅ、隆二!早く行かなきゃ!」









焦る私を見てニヤつく隆二の背中を押して玄関まで連れいく。









「そんなに焦ったらバレるよ?」









「もー!遅刻するよ!じゃあね!」









「………チューは?」









うっ………やばい……可愛い。








目を閉じ唇を尖らせて待っている隆二に朝からキュンとしちゃう私も臣の存在を一瞬忘れる。









一歩近付いて冷静を取り戻し、指を唇に当てた。








「夜までお預けか。じゃあ行ってくる!」








「あ、お弁当!」








手に持っていたお弁当箱を隆二に渡して部屋を出る背中を見送った。








どうしたんだろう………









臣にアピールしてるようにも見える隆二の態度に、少し不安になった。

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作者名:taka | 作成日時:2016年1月21日 15時

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