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｢何しに来たんだよ……｣
冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、一口飲んでソファに座った彼。
急いで服を着た私はソファとテーブルの間に座って向かい合う彼らの話に耳を傾ける。
｢隆二の彼女？｣
突然話を振られて口が開かない。
｢そうだよ。で、何しに来たの？｣
代わりに答えてくれた、ついさっきまで男の顔をしていた私の彼氏ーー、
今市隆二。
付き合って2年が経つ。
��これから��って時に邪魔されて結構怒ってると思われます……
｢名前なんて言うの？｣
そんな隆二にお構いなしに質問をぶつけてくる。
｢A。だからさー、何しに来たんだよ｣
律儀に答える隆二は優しい人。
｢Aかぁ。俺、登坂広臣って言うんだけど知ってる？｣
知ってる？って……
初めて会ったし、隆二から聞いた事ないし。
｢知りません……隆二の友達？｣
隆二の顔を見上げて隆二に聞いたのに、
｢隆二の幼なじみでーす。本当に知らないの？俺、カリスマ美容師なんだけどなー｣
自分でカリスマとか言う人がカリスマだとは思わないんだけどなぁ。
｢臣……俺の話聞いてる？｣
目を細めた隆二は怒りを表すようにテーブルを手のひらで叩いた。
｢あぁー、女と別れてきたから住むとこ見つかるまで置いて。実家遠いし前のマンション引き払っちゃって、俺ホームレスになっちゃう｣
｢｢はぁ？｣｣
あまりの驚きに私まで声が出ちゃったよ。
｢うわー、息ぴったり｣
そう言って笑ったあいつ……
「早く探して出てってね」
優しい隆二は追い返さなかった。
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作者名：taka
| 作成日時：2016年1月21日 15時
