LOVE SONG (ページ12)

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☆ ページ12

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テレビを見ながら爪を念入りに切っている臣の後ろを重い洗濯カゴを抱えながら通る。

｢いって！痛いんですけどー｣

｢あら、当たっちゃった？ごめんあそばせー」

｢今のぜってぇわざとだろ」

｢早く仕事行きなよー｣

｢俺を邪魔扱いしてんの？｣

｢私の時間がなくなるー｣

｢どうせゴロゴロするだけじゃん。掃除しとけよ｣

｢なんで臣に言われなきゃいけないんだよ。居候のくせに｣

｢テレビ台、埃すげぇよ？見えない？｣

｢やだ、こういう男やだやだ！｣

｢俺もこういう女やだやだ｣

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朝から文句ばっかりの臣がやっと家を出て、ホッとしながらソファに深く腰掛けた。

冷たいコーヒーを一口飲んでふと考えた。

焦げた玉子焼きだって、作れってもらえるだけで嬉しいんじゃないの？

隆二は毎日嬉しそうにお弁当箱を抱えて行く。

お互い働いてて、疲れてるのが分かるから＂あれやっておいて＂なんて言い合う事もない。

臣のように何でもはっきり言うなんて、

隆二にはされた事がない。

それが人の普通の優しさだと思ってた。