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何も言わず隆二さんは手を繋いだままソファまで一直線。








腰を下ろして「Aはここ」そう言って自分の太ももを叩いた。









私は手を離してゆっくりとそこにお尻を付けた……椅子に座るように隆二さんに背を向けて。









「なんで?違うでしょ!」








もー!と不貞腐れた声を出しながら私の両足を抱えてソファに乗せ、体を横に向けた。









横目で隆二さんを見れば目尻を下げて優しく微笑んでいてまた喉の奥がキュッとなって涙が滲む。









「目真っ赤じゃん」









私の顔を覗きながら腕を腰に回して優しく抱きしめてくれた。









私も腕を首に回して顔を埋めて流れる涙を指でなぞる。









隆二さんの匂い……好きだなぁ。









「ごめん……俺のせいだよね?泣いてるの」









首元から聞こえる声はなぜだか少し震えてた。









「隆二さん怒ってると思って……目も合わせてもらえないし話も出来なくて……悲しかった」









「マジでごめん……異動って聞いて俺……すげぇショックで…」









「うん……」









「ちゃんと頑張れって応援したかったのに言えない自分に腹が立って……」









「うん……」









「なんでAは笑ってるんだろって……」








隆二さん………。

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作者名:taka | 作成日時:2016年1月18日 2時

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