STARLIGHT (ページ26)

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『隆二さんおはようございます』

俺の猛特訓を4回目でやっと合格した彼女は
少しずつ目を合わせて話す時間が増えていた

それは俺だけじゃなくスタッフやメンバーにも同様

三代目メンバーとスタッフで行われた彼女の歓迎会

最初は緊張して目をキョロキョロさせていた

横に座っていた鬼軍曹の美紀に
「遠慮しないでどんどん飲んでよ！」
なんて言われて引き攣りながら酒を飲み続けてた

酔った彼女は人が変わったように喋り始めて

こんなに笑う子だったんだ………

俺の中で彼女が少しずつ居場所を作り出していた

『私、彼氏できた事なくて～恥ずかしいです』

メンバーの誰かがきっかけで彼氏の話になって
彼女の言葉を聞いてそこに居た全員が口を揃えて

「「うそぉーーー！？」」

と驚いた

「可愛いのに何でだろうね～」

俺の隣に居た岩ちゃんが不思議そうに彼女をガン見

「中身に問題あるんじゃん？」

「隆二さんはあると思う？」

「……ん～……あれじゃん？人見知り」

「確かに！最近やっと目合わせてくれるけど、最初酷かったもんね～」

「俺のおかげかな……」

「なに？……てか、付き合った事ないって事は…」

「ん？…あっ、岩ちゃんそれ聞いちゃダメな…」

「A、もしかしてまだしたこと無い？」

岩ちゃん………俺今ダメって………

そんな質問に少し眉を寄せて困った彼女

「言わなくてもいいからね？」

俺の言葉を聞いて少し微笑んで

『……チューも…ないです』

恥ずかしそうにおしぼりをいじりながら呟いた

「「マジでぇ！？」」

皆から、最初はどんなシチュエーションがいいとか
"初めての"経験談を聞かされる彼女

「なんかいいね…俺が初めてとか…」

岩ちゃんがコソッと耳打ちしてきた

「天然記念物は大事にしないと」

「何それ～Aが天然記念物って事？」

「………そうそう」

「隆二さん……目がハート」

古いよ、岩ちゃんーー。