【ベイブレードバースト 】狂ってしまった時計 the 2nd day【短編集】

8時…この身が朽ち果てようと ページ8

俺が全部やってあげるよ。

そうポツリと言うと彼女は間抜けな声を漏らした。



学校で先生から頼まれていた物を運んでいる彼女を見た。

咄嗟に身体が動いて荷物を全て俺が持って行った。

「俺がやるから。」


授業中ノートをとっていた彼女が見えた。

スッとノートを手にして驚いた瞳を向ける彼女に告げた。

「俺がお前の為にやるから。」


学校帰りに重そうな荷物を持って帰って行く彼女を見かけた。

小走りで彼女に近付き、荷物を全て持つ。

「俺がお前の為に全部やるから。」



正直俺は彼女の為に全ての面倒くさい事をやってやりたい。

この身は彼女の為にある様なものだから。

たとえこの身が朽ち果てようと彼女の為なら本望だ。

そんな事を考えながら夜道を歩く。

行き先は当然、彼女の家だ。

いつもは迷惑かと思い行かないが実際行きたくてウズウズしている。

けれど今日は彼女の両親は旅行だそうで彼女は一人。

好機だ。

彼女が行う家事全般、それ以外、全て俺がやる。

そう考えているからか、いつもより足取りが軽く感じるのは。

視界が薔薇色に見えるとはこの事だ。


すっかり胸を高鳴らせ、舞い上がっていた俺はすぐに彼女の家に着いた。

一呼吸置いてからインターホンなど押さずに扉を開けた。

フワッと彼女の匂いに包まれた。

すると玄関の音に気付いたのか彼女が勢い良く出てきた。

A「…え。」

「よー。」

少し目を見開いたその表情は守りたく、尽くしたくなる顔。

A「何で居るの。」

頭の処理が追いつかない様な顔をしている。

「俺がお前に、Aに尽くしたいから。」

A「鍵はかけてたんだよ。」

「合鍵って便利だよな。」

ニッと笑うとビクッとAは体を強張らせた。

合鍵なんて普通だろ。

「じゃあ邪魔するぞ…あ、食事はまだだよなこの時間だし…風呂掃除はしたか？」

A「何で…。」

やる事は考えれば考えるほどポンポン出てくる。

「あぁAは何もやらないで良いぞ、俺がやるから。」

A「ねぇ…やめてよ！」

広い空間にAの声が響いた。

…は？

A「自分で出来るから、帰ってよ…！」

「酷いなぁA。」

A「え。」

その瞬間俺はAを押し倒した。

「俺はお前の為に全部やるって言ってるんだ、お前は、Aは何もしなくても良いんだ。」

「俺ガ全部ヤッテアゲルカラ。」

______________________________________

ダイナ君むっずw←

9時…幸せを愛している→←7時…苦しくなる胸

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す