番外編20:君には敵わないなぁ ページ46
この沈黙を破ったのは私では無くワキヤだった。
ワ「ホンマに自分、怖いもの知らずっちゅーか
何というかやなぁ。」
「ワキヤ君は怖いものではありません。」
呆れた様な声を上げやがったので取り敢えず
言い返しておく。
ワ「ほぉ?」
ワキヤはそう言うと怪しい笑みを浮かべて私の
顔に手を伸ばしてきた。
「え、何…。」
何故かその笑みに怯み伸びてくる手を払い除ろることが出来ない私。
ワ「ワイは男、自分は女、いくらAが強者
であったとしても性別の力の壁は超えられんやろ。」
そう言い終えると私の顎に手を掛けクイッと
持ち上げる。
そして近付いてくるワキヤの顔。
恐いと反射的に思った。
いつもと違う雰囲気に包まれて顔が引き攣る。
「ワ、キヤ…?」
多分その真っ直ぐ私の瞳を見る切れ長の目が
私に動揺と恐怖の混ざった声を漏らさせたのだろう。
この声を聞いた瞬間ワキヤはフッと鼻で笑い
顔を遠ざけた。
ワ「ほれ、やっぱ恐いんやないか。」
余裕そうに笑うコイツにその事実を突き付け
られ一気に顔に熱が集まる。
恥、一生の恥だ。
「き、君がそんなことを急にやるからだろ!」
ワ「顔真っ赤やw可愛えぇとこあるやんけw」
さっきのが嘘の様に思える程フニャッと笑う
このサツマイモ。
大学芋にしてやりたい。
せっかく少し前まで大人しくて高貴なゴールデンレトリバーだったのに。
「…黙ってれば美形で格好良いのに。」
ボソッと言ったその聞こえるか聞こえないか
分からない位の声はどうやら聞こえていた様だ。
ワ「え、何て言うた!今!なぁもっかい!
もっかいだけでえぇから言ってくれへん?!」
身を乗り出して瞳をキラキラ輝かせながらそう
叫ぶ様に言うワキヤ。
ゴメン、間違えたゴールデンレトリバーじゃなくて柴犬か秋田犬だわ←
「…えぇ。」
ワ「今ワイのこと褒めたやろ?!格好良いって!なぁ!」
「黙ってればの話だっての!」
あぁ、一瞬でも格好良いと思ってしまった私は
何なんだろ。
ワ「Aは照れ屋やなぁ。」
「…あぁ!もう煩いな!ブーメラン状態にしてやるよ!」
もうどうにでもなれ、と内心思いながらワキヤ
に抱き着く。
ワ「な、A!それはアカンとちゃう?!」
「バーカ、言いだしっぺの君が悪い。」
秒で頬を赤らめたワキヤには言われたくないな
何て思うと自然に緩む口角。
笑う私を見てなのかワキヤも笑いだした。
つくづく良い関係だと思った。
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う、うん←
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美桜(プロフ) - 楽しかった〜〜^^さすがエメラルド様っ!!世界観にひきこまれるんですよね〜〜スゴイなぁ、これからも頑張ってください♪ (2018年11月9日 15時) (レス) id: 9664f76be9 (このIDを非表示/違反報告)
エメラルド - 庵茱さん» 有難う御座います!あの…遠回しなリクも…有難う御座います← (2018年11月3日 16時) (レス) id: 58f710b6ad (このIDを非表示/違反報告)
庵茱(プロフ) - エメラルドさん» そんなの悲しいですよ!?エメラルドさんの書く自傷型ヤンデレのフブキくんが見たいと思っているのに……! (2018年11月1日 1時) (レス) id: 9800e8bbba (このIDを非表示/違反報告)
エメラルド - 庵茱さん» その様なことを言って頂けてとても嬉しいです!いやー、リスナーさん居なかったらもう失踪してるかもしれないですw← (2018年10月27日 20時) (レス) id: 58f710b6ad (このIDを非表示/違反報告)
庵茱(プロフ) - DVシスコくんめちゃめちゃ好きです!!!書いてくださってありがとうございます!! (2018年10月26日 2時) (レス) id: 9800e8bbba (このIDを非表示/違反報告)
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