【テニプリ】はいどいて。立海の腐オタクが通ります。2

六十個目 ページ12

会場内でブザーが響く。講堂内で響くのは歓喜の歓声一色で、そこで初めて彼らの劇が成功したのだと悟る。


「みんなお疲れ様。成功に終わってよかった」


「だぁぁあぁ！疲れたぁぁ。打ち上げいこーぜ打ち上げ！！」



終了後すぐに控室に戻り、部員全員で一息をつく。丸井は本当に疲れているのかどうか、たらふく食食うぞと叫んでいるのが彼らしかった。急遽出演になった越前君はいま桃城君に盛大に笑われながらふてくされている。


結局キスシーンはカットになったのだが、真田君とくっつく役だというのが相当気に食わなかったらしい。当然だ。


皆が着替えるというので、私は一旦控室から出る。その間になにか食べ物でも買っておこうかなと近くの屋台を見渡す。結局今年度の海原祭も例年通り、クラス出店のネタがかぶっていて笑えた。この際同じ系統の店を食べ比べてみるのもアリかななんて思う。



とそこで出店屋台があったので、手にした財布を持って買いに行こうかなと足を運ぶ。彼らが着替えて化粧を終えるのにはまだ時間があるだろうし、いくら男の準備が速いからと言って私が戻ってくるまでに探しているということはないだろう。


看板にされたメニュー表を見て、リンゴ飴を買うことにした。



『すいません、リンゴ飴一つ』


「はーい、１２０円です…ってあ、シンデレラの子じゃーん！！君は１００円にしちゃう」


『え、いいんですか』



シンデレラの子と呼ばれた私。何じゃシンデレラの子って。髪色が明るい先輩とみられる男子に、おいおい勝手にまけて大丈夫かよと思うもお言葉に甘え１００円を渡す。



ありがとね、またきてねシンデレラとリンゴ飴片手に言われた時はさすがにあせった。シンデレラって呼ぶな…！彼のその言葉を聞いた周りの訝しげな視線に耐えかねてすぐにその場を後にする。

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