【赤井秀一】翠緑の瞳と交差する時

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「………昔からお姉ちゃんしっかり者で優しくて努力家で…毎日一緒に仕事してるなら分かると思うけど…

…でもね、お父さんとお母さん亡くしてから、なんでも一人で抱え込むようになっちゃって、

…親戚とは仲悪かったからさ、生活費とお姉ちゃんの高校卒業までの学費しか出さない、妹の私は中学卒業したら働かせなさいって言われたらしくて、お姉ちゃんもともと頭良かったけど猛勉強して奨学金で大学に行って…

私の分の学費はバイト掛け持ちして稼いでたみたい

なのにこれっぽっちも私の前で弱音を吐かないで、いっつも優しいお姉ちゃんだった

…ごめんなさい、なんか暗い話して」



「いや、構わないさ」


「だからさ、お姉ちゃんと恋人として付き合ってくなら…ちゃんと支えてあげてね…
辛いとか助けてほしいとか…口には出さないと思うけど…」

「……もちろんだ、約束する」

この間ジュリアにも似たようなこと言われたな…

『お待たせ！簡単なもので申し訳ないけど…』

キッチンの方からエプロン姿のAがミートソーススパゲティを運んできた

「「いただきます」」








楓を見送ったあと、秀一と二人きりになった

予定していた打ち合わせもすぐに終わった

「妹さん、見た目も中身もAにそっくりだな…」

『そうかな？ちょっとツンツンしてるけどいい子でしょ』






その後二人で夕食を食べて、ワインを飲んだ

俺たち二人とも酒は強い

他愛もない話をして気づけば夜の10時

明日の仕事は午後からか

すると突然、

『と、泊まってく？』

ん？

驚いた…Aの方から言ってくるとは

「本当にいいのか？」

『う、うん…結構遅いしね…』

いくら酒に強いとはいえ、少なからず酔いが回っているのだろう

普段のAだったら俺に泊まって行かないかと提案しないだろうな

『シャワーでよければ先にどうぞ』

「ああ…」

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