たとえば、あいつなら☆4

＊ニコニコ ページ13

渋谷side





人いっぱい。



苦手。


息苦しい。






司会「それでは、大変長らく お待たせいたしました。」




司会「これより 新郎新婦が ご入場なさいます。」




司会「どうぞ、ご入場口に ご注目ください。」




司会「新郎新婦 ご入場ですっ」







新郎 どーでも ええ。



今日は あいつだけ 見に来たんや。






♪〜





『♪君が 笑えば この世界中に もっと もっと 幸せが 広がる』





ﾊﾞﾝｯ





最高の 選曲と 一緒に 出てきたのは



意外と ガッチガチの ヒナと



真っ白で ふわっふわのドレス着て ニッコニコの 俺が 惚れた女。






『♪君が 笑えば すべてが良くなる』







うん。


満足。




お前には そこしかない。



そこに いてこその、お前やもんな。






すば「便所 行って来る。」




横「今っ？」








あの顔 見れたら もう ここに用ないねん、俺は。



ヨコには 申し訳ないけど、


帰らしてもらう。




スピーチ がんばれ。







司会「それでは ただいまより、村上家・清水家 ご両家の……」







この12年で 一番 キレイやった。



ぜっっっっったいに 本人には 言わんけども。







母「あら、あんた 早かったねぇ。」




すば「しんどかったから 帰ってきた。」




母「ヒナちゃん、男前やった？」




母「写真は？」




すば「ケータイ 忘れてった。」






撮るかい、そんなもん。



俺が ボケるまで、頭ん中に ずーーーっと 残ってりゃ それで ええ。



ヒナの 晴れ姿も、あいつの 最後の白ドレスも。






母「このアホ！」ﾍﾞｼｯ




すば「いっ」




母「ヒナちゃんの カッコええとこ 撮って来い 言うたやろっ」




すば「カッコ良くなかったんや！」




母「…なら しゃあないなぁ…」






ここに ヒナおったら 親子共々 容赦なく どつかれてたな。






すば「筑前煮 食いたい。」




母「っもっと はよ 言いなっ、アホっ」




母「買いもん 行ってくるわっ」




すば「一緒 行こか。」




すば「オトンの 車 出すわ。」







親孝行 したらな。



俺は たぶん、あと10年は 結婚なんか せぇへん。




あいつらの 子供が できて、そいつが 小学校 上がるかってくらいに やっと、



俺にも 結婚って言葉が 沁みてくると 思うから。







すば「……おめでとうな…」

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