！おさななあまた！ (ページ9)

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鼻水を少し垂らしながら、Aはそのままげんぴょんとぐちつぼから離れていった。その後、代わりとしてたらこが部屋に入って来た。たらこはAの表情を見ながらうげぇと顔を顰めた。

「ぐっちさんまぁた、脅したの？」

「マ、脅しただけだってぇ。」

終わってるよとたらこはその言葉を口にしてぐちつぼの横に座る。

「なんでそんなにあの子に執着するの？俺にはよくわかんないんだけど」

可愛いという感情はあれど恋愛感情を抱くような子ではない。それはきっと近くて遠い存在のげんぴょんとたらこが1番わかっていた。それなのに、ぐちつぼはAを溺愛し男から身内までも牽制し、そして最終に至ってはAは俺の事だけを考えてればいいと考える酔狂人。げんぴょんもたらこもA程では無いがぐちつぼとは長くいるため本当に分からないのである。泣き虫で、わがままで、幼稚なAに惚れる要素が。別に貶している訳では無い。本当のことだ。

「それをお前らに教える必要、ある？」

まぁ、だとしても。ぐちつぼ側は一切としてげんぴょんのこともたらこのことも信頼していなかった。冷たい目線をたらことげんぴょんに送る。その目線はAのことは俺だけが知っていればいいというどろりとした独占欲。

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「ね、Aさん」

『なんでいるんですかぁ、たらこさん…』

呆れた様子で、そして未だに傷心中なのか項垂れた様子でたらこの言葉に返事を返すA。

「今日の放課後、裏路地行ってみな？面白いもの見れると思うよ」

悪戯っ子のような笑顔で笑うたらこに怪訝そうに少し睨むA。たらこのその表情に負けたのか溜息をつきはぁいと答えた。でも、どうして裏路地なんかに行かなきゃ行けないんだろうとふわりと一瞬考えたがすぐにその考えは消えた。どうせ、ぐちつぼ関連だろうなぁと察しは着いていたからだ。それが何かは全くもって察しが着いていなかったようだが。

『裏路地…え、もしかしてこの奥行かなきゃ行けないの！？』

律儀にたらこに言われた裏路地まで来たA。めちゃめちゃ暗い！や前が見えない！ってほどでは無いが薄暗くなんだか幽霊が出てきそうな雰囲気を漂わせていた。もうとたらこに対する怒りと少しの怖さで身震いをしながらも裏路地に足を踏み入れた。

ぐしゃっ、ぐしゃっ。

そんな音がAの耳に入った。こてんと首を傾げてその音の方向へ向かう。その時、引き返せばよかったと後悔するのは3分後。