！おさななあまた！ (ページ45)

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今でも思い出す。
あれは三年前の夏休み最終日。

課題も早々に終わらせ、灼熱地獄な外へと出るのを躊躇っていた夏休みも今日で終わるからと、いつもなら断っていた幼馴染からの誘いに乗ったのだ。
勿論日中はいやだと念押し、彼は渋々了承してくれたのだがそれでも電話口の彼が嬉しそうだったのを覚えている。

「＿＿？＿い、＿＿？A！」

『あ、なに？』

「何回も呼んだで？お前が誘ってきたのに、何でそないな顔しとんの」

『ごめん、ちょっと考え事してた』

あの時の私たちは子供だったと言い訳して、罪悪感から逃れようと必死に背を向け続けた。彼から連絡が来ることも、私から連絡する事もなくなってしまった。
連絡先は消せずに、トークも残ったまま。

三年前の日付で止まっているトークは、まだ私たちが友だちでいられたその瞬間で終わっている。

現実でも、そうであったならばどれだけ良かったか。
しかし、過去は変えられない。変えたいと願ってもその瞬間には戻れないし、戻ったとして私はどうすれば良かったのか。
三年経った今でも分からないままだ。

「ふぅん…。まぁ、何考えてたんか知らんけど折角思い出作ろう言うて誘ってきたのに暗いまま思い出にしようとすんなよなぁ」

『…ごめん』

「謝んなって。そういうとこな」

カラッと笑い飛ばしてくれる、向日葵みたいな男。こいつは彼の一番の友だち。親友ではないらしい。

当時の私には彼らの言う事が理解出来なかったけれど、今になっては何となくその意味を理解出来たような気がした。