！おさななあまた！ (ページ41)

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＿げんぴょんくんと幼馴染って羨ましいなぁ。

聞き慣れた言葉、昔仲良くしていたスイミングの女の子から言われた言葉は胸にこべりついて離れる事がない
執拗い油汚れがどれだけ洗剤で擦っても取れない位、べっとりとこべりついている
一通り泳ぎ終えた私はプールから上がってプールサイドを歩きながらシャワーにへと向かう
その前にもう一度、と彼が泳いでいる場所へ視線を向けた

次はバタフライを泳いで、周りの視線を引き付けるげんぴょんはどうしてかとても輝いて見えて仕方がない
悔しいがカッコいいし水泳が出来る人は私も好きだ、話も合う
ペタペタと歩く度に出来る水の足跡と垂れる水滴、そしてげんぴょんがレーンを一通り泳ぎ終えて水中ゴーグルを脱ぐと清々しい顔をしている
あ、筋肉ってあんなについてたんだとか髪あんなに伸びたんだとか、意識を向ける事もなかったが何時の間にか私達は予想以上に子供から離れてしまっていたらしい
咄嗟に視線を逸らしてシャワーに向かう、途中視線を感じていたような気がしたが無視をした

★*★

シャワーを終えて水着から服に着替え更衣室から出ると、ゲームをしながら壁にもたれかかっているげんぴょんを見つけた
誰かを待っているのだろうか、そんな彼の前を通り過ぎようとしたが「待てよ。」と彼に呼び止められてしまい彼の方へと視線を向ける
何時の間にか彼はゲーム機を鞄の中にしまい込んでいて、私を真っ直ぐと見つめてきていた

な、何だ一体…と身構えていれば「一緒に帰んぞ」と隣に並ばれて結局一緒に帰る事になってしまったのである
ああもう、どうしてたかが幼馴染のげんぴょんにこんなにも振り回されなければならんのだ

そう、たかが幼馴染。
恋人でも何でもない、異性の腐れ縁。

だから、だから今度こそ幼馴染を辞めようと頑張っている気も知らないでズカズカと人の心を踏み荒らすげんぴょんが、私は嫌いだ

ばーか。