水面に映る君の横顔 【gn】 ページ38
腐れ縁という【幼馴染】の関係とはズルズルと重く絡まり解く事が困難な見えない糸、のようなフレーズだと私は思う
生まれつきこの方産まれる場所を選べる事もなければ、近所に誰が住んでいるかが分かる訳でもないしそんな超能力があれば私の人生的にも幼馴染といった関係は実に要らないものだと割り切ってしまえたのに＿
何時だったか、良く幼馴染が居るなんて羨ましいとか言われる事も少なくはない
まぁきっとソレは幼馴染である【彼】のビジュアルから性格迄加味した結果、とも言えるが。
例えば幼馴染が普通の女の子だったら、例えば幼馴染が不細工で性格さえも終わってる男の子だったら、羨ましいなんて言われる事はなかったのだろう
血の繋がりのない仲の良い親戚、という認識であった私は適当にはぐらかすし彼自身も深くこの事を掘り下げる事は無い
甘ったるい紙パックのいちごミルクをちゅうとストローから飲み、考えていた
そんな私の隣ではゲーム機を持ってゲームをやっている幼馴染が居る
ゲーム自体そんなにやらない私は昔、それ楽しいの?と興味本位で聞いた事があった
彼はその時確か、めっちゃ楽しいよ。Aもやったら?俺Aと一緒にやりたいかもとかぬかしてきたんだっけか。
何だか態度が気に食わないのとゲーム自体に興味を持てなかった為ゲームを彼のようにやらず此処まで大きくなった訳だが…
そういえば彼の机の周りに最近出来た友達、とかなんかで隣の教室から来る事が多くなったぐちつぼくんとんそめくんは時折私にも話し掛けてくれるとってもいい子達である
ゲームをやっている最中は何を話しているかはあんまり分からないし聞く気もない為アレだが、んそめくんに関しては最近の所幼馴染である彼＿【げんぴょん】よりも話しているような気がするな。
「Aさんまたいちごミルク飲んでる、好きなの?甘ったるいのに」
『んー…そんなに好きじゃないかな。でも糖分が足りなくて、んそめくんこそげんぴょんとゲームやりに来てるのに私に構ってて良いの?』
ゲームにも休憩って必要だからさ、と笑い零すんそめくんはどうしてかこんな彼＿げんぴょんと付き合いがあるのかが到底理解出来ない
優等生で真面目、運動神経も良しの文武両道で生徒会の一人でもある
次期生徒会長候補だなんて噂もある位だ
私だったら絶対げんぴょんと友達になんてなる事はないけどな、そんな言葉が出る前に止めてそっか。とだけ返しておいた
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