！おさななあまた！ (ページ32)

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隣は誰にも譲らない【rbr】ページ32

きっかけはふとしたことだった。

部屋の雰囲気が変わったとか、髪の長さが変わったとか、ふわりと香るボディーソープの匂いが変わったとか。

本当にそんな些細な違和感。
最初は気のせいだと思っていたのに。

「なんで、こいつなんやろ…。」

俺とAは生まれた病院が同じで親同士も仲がいい所謂幼馴染。
幼稚園から大学までずっと一緒で、なにをするのも一緒やった。
お互いに「なんでコイツとなん？」って文句は言うもののなんだかんだ組んだ時の相性が抜群なのはわかっていた。
周りからもその連携の良さを評されて『双子』だの『夫婦』だの言われ続けてきた。
いつまででも一緒にいられる、そう思ってたのに。

「ロボロ、あのね。彼氏できたんだ。」

あんなに可愛い笑顔を見たのはいつが最後だったか。
いや、Aはいつも可愛いんやけどさ。
でもこんなに幸せそうに笑うAを見たのは久しぶりで。
…同時にこの笑顔を引き出したのは俺じゃないって言う事実が重くのしかかってきた。

ごめんな、本当は聞く前から知ってたわ。
もしかしてにもしかしてが積み重なった結果、憶測は確信に変わって…正直ショックやった。
あぁ、ずっと一緒だと思ってたのは俺だけだったんや。
拗らせてるなんて、友人に言われんくても自分が一番知っとるよ。
本当は心からお祝いしてあげる予定やったんやけど…。