！おさななあまた！ (ページ27)

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魔人の手枷/rbr ページ27

彼氏と長く続かない系の私にはランプの魔人のような幼馴染がいる。

幼馴染の彼は三つだけとは言わず、どんなことでも私の願いを叶えてくれた。
いや、どんなことでもではないか。
一つだけ私が願っても叶えてくれなかったことがあったし。

どんな願いでも、どんな我儘でもにこりと笑ってなんてことないように叶えてくれる彼に私は初めて恋をした。
というよりも、彼が私のことを好きで、好きだからこそどんな願いでも叶えてくれるんだと思っていた。
どこまでも私は浅はかで身勝手だった。
勝手に彼の気持ちを決めつけて、勝手にドキドキして、勝手に恋に落ちた。

幼かった私はいつものように願いを口にした。
付き合って欲しい、と。
彼はいつもとは違い苦い笑顔で「それはできん」と答えた。

初めての拒絶、自惚れすぎた自分への羞恥の中、自分がその後なんと言葉を発したのか覚えていない。
ただ、もうこの関係は終わるんだろうなと思っていたことだけは覚えている。

…でも、この関係が終わることはなかった。
次の日もその次の日も彼はいつも通りの笑顔で私に願いを催促したのだ。

「叶えて欲しいことはないんか？」「何か手伝おうか？」と彼は言う。
失恋したばかりの私に何故そんなことを言うのか。
気まずいと思っているのは私だけなのか。
好きでもないくせにどうして私に構うのか。

疑念は疑心へと変わったけれど、いつしか時間がそれを忘れさせた。

私には幼馴染がいる。
ランプの魔人のような幼馴染が。