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気づけば帰りのHRも終わって、ショッピが待っているであろう靴箱に足を進めていた。
「あ、A」
『ごめん、お待たせ』
「ん、帰ろか」
いつものようにショッピの隣に並んで歩く。さりげなく歩幅合わせてくれるところとか、私の話に相槌うってくれるところとか、些細な事に目がいってしまう。
『そういえばさ』
「ん？なに？」
『ショッピってさ、私と付き合ってるか聞かれたこととかある？』
私がそう聞くと、ショッピは少し考えてから
「まぁ、あるっちゃあるで」と答えた。
『今日も聞かれたんだけどね、聞かれすぎて否定するのも面倒くさくなってきてるんだよね……』
「なら否定しなけりゃええやん」
『え、それはほら……ダメでしょ』
ショッピからの予想外の返事に少し、いやかなり驚く。否定しないってことは、付き合ってるって認めるわけで、付き合ってないのに認めるのは……と、どんどん頭が混乱してきた。
『わ、私たち付き合ってないじゃん』
「……なら、付き合う？それなら断らんくてええやん」
『そんな冗談を……』
「冗談ちゃうけど」
いつもとは違う声色が聞こえてくる。それにびっくりして、足を止めてショッピの顔を見上げる。そこには夕日のせいか、少し頬が赤く染ったショッピがいた。
『ショッピ……？』
「俺は好きやで。Aのこと」
『え』
聞こえてきた2文字の言葉。私がずっと思ってた言葉。少しだけ、時が止まった気がした。
「Aはどうなん」
『あ、わ、私も好き！ショッピが好き！』
「ははっ、やっぱりな」
そう言って、ショッピが私の頭を撫でる。向けられていた表情は、今まで見た事がないような、優しい笑顔だった。
「じゃ、明日からは否定しなくてもええな」
『そっか……ふふ』
「何笑ってるん。そんな嬉しかったん？」
『だって、叶うなんて思ってなかったもん』
私がそう言うと、ショッピは私の手をとって、自然な流れで繋いでくれた。
「俺も、嬉しいわ」
そう言うショッピの顔は、夕日のせいには出来ないほど、赤く染っていた。
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