【shp】こっち向いて、【d!】 (ページ5)

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よんページ5

それから両親をあまり好んでおらず、高校に上がってすぐ一人暮らしを始めたらしい。

そしてなんとそのマンションは、うちの真隣にあるマンションだったのである。

運命だと思った、これを運命と言わずしてなんとするのか。

そして神様がくれたこのチャンスを離してなるものかとも思った。

叶わなくたっていい、私のことなんて知らなくたって良かった。

ただ貴方を見つめていたいと、貴方をもっと知りたいって。

止めどなく溢れ出した欲は、また私の悪癖を引き出していく。

ねえ、貴方のことがすき。すきです。

でも貴方は何も知らなくていいよ。

見つめさせてくれれば、それで、

「Aちゃん？」

『はっ！ごめんぼーっとしてた！』

「話の途中でぼーっとすんのやめて？頭の心配しちゃ……もう手遅れやったっけ？ごめんね？」

『おかしい、周りにはお花が飛んでんのにアウトプットされる言葉に温もりがない…』

鈴末亜璃沙ちゃん。
それこそ入学式の時に話し掛けられて、そこから今まで仲良くしてくれている同じクラスの女の子だ。

可愛らしくほんわかふわふわした雰囲気を纏い、背も小さめなので男子からの人気がそこそこ高い。
何故そこそこなのかと言えば、この辛辣な物言いを形成する性格故である。

以前ある男子が「解釈違いやわ〜」とぽつりと零した際、「貴方の解釈でこっちは生きてへんのよねえ、寧ろ押し付け迷惑やから黙っとってくれる〜？」とそりゃもうぽわぽわ笑顔で刺し殺した。
本気を出したら人のメンタルなんて1分も掛からず握り潰しそう、仲良しで良かった。