【実ｼ兄者】焔が二人を灰にする迄。

◇ ページ7

『無愛想だし、人と話するのも苦手だし、貴方みたいに顔が良いわけでもないし、なのになんで私に構うの？なんですきだなんて言えるの？そんなの、冗談だって誰だって思、うぶっ！？』


俯いていた彼女の顔を掴み、彼は無理矢理自分の方へと向かせた。

驚いて目をぱちくりさせる彼女を不満げな顔で見つめる彼。


「それもぜんぶ引っ括めてだいすきだからだが？Aの良い所もAが自分で悪いって思ってる所も、ぜんぶAだからだいすきだし意味があるの。ねえ、僕の気持ちを否定しないでよ」




「僕を、君のモノにして」




懇願する様な声音に息を呑む。

こんな告白なんてされた事ない、今後だってされるかどうか分からない。


顔に熱が集まっていく、ああもうやだ、恥ずかしい。


そんな彼女に気付くと彼は満足気に笑みを深めた。


「かわいい…♡そんな顔されたら、僕我慢出来なくなっちゃうよ？」


近付いてくる形の良い唇を、拒む余裕も隙もなかった。










(貴方のものにして欲しいだなんて、)
(そんな殺し文句で溶けてしまいそうだ)

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