◇ ページ31
「貴女の人を思いやる心が、胸があったかくなる様な優しさが、花が綻んだみたいに可愛らしくて綺麗な笑顔が……ずっと、ずっとずっと前から!すきでしたーーー!!!!」
顔を真っ赤に染め上げながら思いの丈をぶち撒け、大歓声を受ける一人の男子生徒。
それを見上げながら同じく顔を真っ赤にしていく一人の女子生徒………の傍で薄らと頬を赤く染めるもう一人の男子生徒。
「いやあそこまで言えとは言ってないんだけどな…めっちゃ恥ずかしいこと言うじゃん…」
「やっぱりお前の差し金だな?」
ぼそりと呟いたぺいんとの言葉が耳に入ったのかクロノアは苦笑いを浮かべながら腕を組んだ。
「へへっ、バレてました?あんまりにも焦れったいから強行手段に出ました。……あっちが知ってる上で動かねーならこっちからケツ叩いてやるっつーの!」
いいぞしにがみ〜〜〜!もう一押し根性見せろ〜〜〜!と声を張り上げ囃し立てる友人にこくりと頷くともう一度彼は深呼吸をする。
「…僕と、付き合って頂けませんかーーー!!!!」
しん、と静まり返るグラウンド。
心臓が飛び出してしまうのではと錯覚するくらいに脈打ち吐きそうになってしまう。
鼓動が鼓膜に張り付いて風の音すら聞けない。
彼女の存在を知っている生徒達の視線が今度は彼女に釘付けになる。
多数の人の前で行われた自分への告白、それによる多数の視線。
それら全てが要因で彼女はそろそろ顔から火が出るのではないかというくらい真っ赤になってしまっている。
両想いであると知りながらも何処かでそれを信じ切れない内気で恥ずかしがり屋の彼女には十分過ぎるほどこれは効いていた。
彼女は震える息を整えると同じ様にかたかたと震える腕をゆっくりと上げ屋上にも見える様に大きな丸を作った。
ゲリラ的に行われた公開告白が始まってから一番の歓声と、満面の笑みを浮かべる男子生徒のうおー!!という喜びの雄叫びが響き渡った。
(一組のカップルが出来たものの、教師陣にこっぴどく絞られたのは言うまでもない)
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える。(プロフ) - すいみん。さん» こんばんは、える。と申します。すいみん。様の感情を揺さぶる事が出来て、更にはだいすきと言って頂けて感無量でございます。こちらこそありがとうございます!良ければこれからも見守って頂けたら幸いです、コメントありがとうございました! (12月1日 22時) (レス) id: 984bd7bc35 (このIDを非表示/違反報告)
すいみん。(プロフ) - ドチャクソに大大大好きです。最新話、号泣しました。この小説のコンセプトが好きすぎます……素敵なお話をありがとうございました……😭🙏 (12月1日 14時) (レス) id: f12e90341c (このIDを非表示/違反報告)
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