【ntj】sni. ページ30
愛を叫ぶ話。
「お忙しい中すみませーん!!!!少し、僕の話を聞いてくれませんかー!!!!」
放課後になり、部活に向かう生徒や帰路につこうとする生徒で賑わう校舎とグラウンド。
しかし、屋上から一人の男子生徒が右手に持つ拡声器を通して大声を張り上げると、何事だと生徒達の視線が屋上に釘付けになった。
「…あれ、しにがみさんに見えるんだけど」
「しにがみくんだな」
「ハハハハハッ!!!!アイツまじで何やってんの!?」
いつも屋上の彼──しにがみと行動を共にしている友人達は一様に動揺を隠せずにいた。
というよりも寝耳に水な彼の奇行に遂におかしくなったのではと一名を除いて若干の心配を抱えていた。
「っ、……僕にはあ!!!!すきな人がいまーす!!!!」
意を決した様に深呼吸をした後、彼がもう一度叫ぶと大きな歓声が上がる。
「俺のことかしにがみーーー!!!!いいぜ付き合おーーー!!!!」
「野郎は黙ってろーーー!!!!」
グラウンドからぺいんとが茶々を入れ、それに辛辣な返しをするしにがみに笑いが巻き起こる。
「静かにしてくださーい!!!!…ご協力、感謝します…えっと、あの、っ………C組の、Aさん!!!!」
『っえ、あ、私……?』
彼らのすぐ近くで友達と屋上を見上げていた女子生徒が肩を震わせた。
「えっガチ!?ちょっとA、あんた知ってた?」
『しっ、知るわけないじゃん!今初耳だよ…!』
「(嘘つけ、ほんとはとっくに知ってる癖に)」
彼女達の話が聞こえてくれば、ぺいんとは心の中で一人ごちった。
しにがみにこの作戦をけしかけたのはぺいんとその人である。
彼はしにがみが彼女をすきな事をもちろん知っているし彼女がしにがみの気持ちを知った上で彼をすきな事も知っていた。
なのにどういうわけか、なかなか結ばれない2人に業を煮やしぺいんとはしにがみに発破を掛けたのである。
──お前のだいすきなAちゃん、こないだB組のバスケ部に告られたみたいよ?
嘘である。
──どうすんの?あっち背も高いしイケメンじゃん。このままじゃ取られちゃうって。
半分嘘で、半分本当である。
──どうすれば、か…まあ普通に告るんじゃ、ちょっと心許ないよなあ………俺、いい考えあるんだけどさ…どう?乗っかる?
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える。(プロフ) - すいみん。さん» こんばんは、える。と申します。すいみん。様の感情を揺さぶる事が出来て、更にはだいすきと言って頂けて感無量でございます。こちらこそありがとうございます!良ければこれからも見守って頂けたら幸いです、コメントありがとうございました! (12月1日 22時) (レス) id: 984bd7bc35 (このIDを非表示/違反報告)
すいみん。(プロフ) - ドチャクソに大大大好きです。最新話、号泣しました。この小説のコンセプトが好きすぎます……素敵なお話をありがとうございました……😭🙏 (12月1日 14時) (レス) id: f12e90341c (このIDを非表示/違反報告)
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