shp. ページ24
貴女と見た夕焼けの話。
○月✕日
memory:01
「初めましてA」
『初めまして、おはよう』
「俺の名前を設定してください」
『君の名前はショッピ』
「ショッピ。……設定致しました」
『じゃあショッピ、今から君に最初の命令を下します』
「はい、A。なんなりと」
『これから私の傍で、ゆっくりと人になっていきなさい』
○月✕日
memory:013
「お疲れ様です」
『ん、ありがとう〜……君は段々コーヒーを淹れるのが上手くなっていくねえ、徹夜明けに沁みる〜…』
「一般的に成人した人間の最低睡眠時間は7〜8時間、加齢と共に睡眠時間は減少していく傾向にありますがAはもう既に50時間は寝ていません。俺が推測している年齢よりも遙かに貴女が年老いているか生命活動を一刻も早く停止したいかのどちらかで無ければ理解が出来ません」
『…もうそこまで嫌味が言える様になったんや…なるほど、AIの成長が早いねえ〜……もしかして呆れてる?』
「呆れる?……呆れる、物事が意外で、または余りに酷くて驚く。呆気にとられる様。……驚く、思いがけない、」
『あーもうええもうええ、ショッピにはまだ早かったわ』
「…ああ。また心だとか感情だとかの話ですか。アンドロイドにはそもそもそんな非科学的なモノは芽生えません、備わることもないでしょう。この発言は今回でちょうど10回目です」
『じゃあ私もお決まりの返事をしてあげよう、一番最初の命令を忘れたの?』
「…いいえ、失礼致しました」
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