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『あの、名前、』
「……んや……」
『え、?』
「だから食いもん!!!…食いもん、何がすきなんや?」
『はっ?』
なんとも素っ頓狂な声を上げてしまった。なんてなんて?
「はよ答えろや!!!!」
『あっ、えっと!えーそうだな、中華とかすきです!あとら、ラーメンとか!』
「……ほうか。……じ、じゃあ、すきな色は?」
『色!?あー…みず、いろ?』
何処か気まずそうに視線を泳がせながらたどたどしく聞いてきたかと思えば吠え、また気まずそうに尋ねてきたかと思えば「ふうん、」と満足そうに目を細めて小さく笑みを浮かべるコネシマくん。
いやさっきからなに聞かれてんの私。
「水族館と動物園と美術館、行くとしたら何処がええ?」
『えっ、えー……?そう、ですね……水族館、かな……』
「分かった、じゃあ今週の日曜日空けとけや」
『は、え、なんで?』
「この流れで一緒に水族館に行く以外の事あるか?」
待って待って待って。
待ち合わせとか時間とかも聞きたいし連絡先教えろとさも当たり前の様に携帯を取り出し足ドンの体勢もそのままに操作を始める彼に思考が全く追い付かない。
え、なんで私一緒に出掛けることになってるの?
今日初めて会話をしたカースト上位の人気者と、なんでデート紛いの約束を取り付けられているんだ??
「はよ携帯出せや」
『ちょっ、と……待ってくださ、』
「あ?なに?」
なんでそんな威圧的なん?並の陰キャを舐めないでください今にも号泣しそうです。
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